2021-01-01から1年間の記事一覧
二〇二一年が終わろうとしている。人間の記憶をおぼろにしてしまうのに、半年という時間は充分だ。オリンピックは今年のことであったか。半年も経たないのに、昨年の事のように思える。「東京2020」という変更のなかったタイトルが余計にその混乱を招いてい…
最初の最初。ユクを寝室に入れ、人間のベッドの横で眠らせるようにした。しばらくすると、朝方、ユクが人間のベッドを覗き込み、飛び乗ってくるようになった。朝、飼い主と目が合うと、ベッドに乗って良いのだ、というユク独自のルールに基づいているようで…
言葉を巧みに使い、受け手のイメージを変えようとする手法がある。「ラウンジウェアセットアップ」という品物は、スーパーで「スウェット上下」として千五百円程度で売られていたものと同じだ。「ワンマイルウェア」というものも、「近所にしか出歩けない服…
ショッピングカートに小さな椅子が付いていて、それに子供を乗せるようになっているものは昔からある。自我が芽生え、乗りたいな、と思える年齢になったときにはショッピングカートになど座らせてもらえず、残念に思った。座った記憶はないが、あそこへ座ら…
過日、二人と一匹で、ハイキングコースを歩いた。正午過ぎに出かけて、帰る頃には暗くなっていたので、四時間くらい歩いたろうか。 普段の昼間は寝ていることの多いユクだが、外が大好きだし、昼間に出かけようと連れ出しても、まったく嫌な風ではない。むし…
ユクは自分の名前を覚えているだろうか。この人たち、機嫌よろしく撫でにくるときはやたらと「ユクユク」言ってやがるな、くらいには感じているのかもしれないが、それが自分の名であるということまでは、果たしてどうであろう。 散歩中、「あれモモちゃんじ…
ユクは本当に気まぐれと言おうかマイペースな犬だ。飼い主が家に帰ってきたとき、きゃあうれしいよ!ぴょーんぴょん!という反応をしない。犬を飼う前は、犬というものはそういう反応をするものだと決め付けていたが、そうでもない。そのようなことは犬によ…
かつての同僚がそのとき付き合っていた彼女と紅葉を観に行った際、その彼女の口から出たセリフだ。同僚はそのことを大変残念そうに話した。デートのために紅葉の頃合いも見計らい、良い景色を見せようと苦心して連れて行ったのに、紅葉などつまらないから早…
ユクと散歩をしているときに、毎日のように前を通っていながら、なかなか行くことのできていなかったカフェに、ようやく行くことができた。とっても美味しいモンブランと深煎コーヒーをいただいた。そればかりか、なんとユクも一緒にお邪魔して、小一時間ほ…
ユクは二週間に一度、シャンプーしてもらえる。「してもらえる」というのは勝手な人間目線である。至れり尽くせりで羨ましいなぁと思うのだが、犬の方はそのようなことは感じてなさそうだ。ユクは水が苦手だから当然のことだろう。私たちが風呂場の準備をし…
ここのところ大変忙しい。犬の世話ではなく、仕事の話だ。パンデミック以前から自宅で仕事をしてしたので、仕事のスタイルはさして変わらない。しかし、周りが変わった。仕事の開始が早いし、終わりが遅くなった。「打ち合わせをしたいから来て欲しい」と呼…
ユクと暮らし始めた頃は、散歩に出ている最中、気が休まらなかった。ユクがどこで用を足すか分からなかったからだ。いまでも少しその気持はあるけれど、大体において決まった場所ですることも判明したので、最初の頃より落ち着いて散歩に出かけることができ…
私は特別な動物愛護の思想を持っているわけではないが、同じ地球に暮らしている動物たちに対して、健やかに生きて欲しいとは考えている。また、人間以外の自然を脅威に晒す力を持ってしまった種としての責任も大きいものだと理解している。なので、このフラ…
ユクの名の由来でもある鹿柄。厳密に言えば、鹿とは白と茶のポジションが逆のように思う。しかし、ユクを見た方が「バンビちゃんみたいね」と言ってくださる。脳内で色変換して、ユクを鹿に見立てていただいているものと思う。 ユクは宮古島で保護された。南…
大好きな犬や、おやつをたっぷりくれる人に出会ったときのユクは、まったくクールではない。落ち着きがなくそわそわしている。好きな子に対して、もっと堂々と構えていたほうが向こうの方から寄ってきてくれるのでは、と思う。それなのに正面から鼻先をペロ…
約一年ぶりに、ユクをドッグランに連れて行った。初めてのときは、犬のほうがすぐに飽きてしまい、早く帰りたいといじけ気味だった。今回はどうだろうか。 着くといきなり、ユクは警戒感を表した。多数の犬の匂いを察知したものと思われる。お友達が沢山でき…
ユクはくるくる回って、パタンと伏せて、よくとぐろを巻いている。それは、夜一緒のベッドで寝ているときも同様だ。 巻いているユク坊。 一緒に寝る際の位置取りは問題だ。ユクがとぐろを巻く場所によって、人間の寝床が狭くなり、ベッドから転げ落ちそうに…
犬とマリンスポーツをする。妻はそのような夢を持っていた。夢を諦めていないだろうか。だが、ユクとその夢を叶えるのはかなり難しそうだ。玄関を開けて雨がザアザア降っていると、あからさまに暗い表情になるし、少しの水溜りですら、怯んで立ち尽くすユク…
ユクはお隣りに住んでいる黒柴君が大好きだ。彼との窓越しでの初対面では吠えた。このとき初めて、ユクの吠える声を聞いた。その後直接ご対面し、ワンプロをけしかけたものの、マウントを取られお腹見せポーズ、完全服従の意思が芽生えたのか、お隣りのワン…
犬には悪人を見分ける能力があるのだろうか。この一年間、ユクが唸ったり吠えたりする様子を見てきて、そのように感じる。ただし、あなたは悪い人ですか、と吠えられた人に尋ねるわけにもいかないので、本当のところはなんとも言えない。そもそも悪とはなに…
私は不思議なことや謎めいたことが好きだ。幼少の頃はこの傾向が大変強く、「世界の七不思議」や「世界の怪奇現象」などの本を好んで読んだ。「キミは名探偵」というような謎を解くような本もよく読んだ。不思議なことを不思議に思い、そこをきっかけに科学…
私はあまり水を飲まない。水分を摂らないと身体に良くないことは知っているが、食事のときなどにガブガブと水を飲むのはいかがなものだろうか。噛めば唾液も出るので、まったく困らない。味が水で薄まってしまうのももったいない。そのようなことで、特に食…
人は見かけによらないということを前回書いた。が、実は見かけだけではなく、出身地においても同様の問題が見られる。 私は関西出身だ。関西にも大阪、兵庫、京都、奈良など細かな差があり、土地土地でさまざま特徴があるものだ。たとえば私は神戸の出身だ。…
ユクがうちに来てから一年以上が経過した。季節をひと巡りしたということになる。去年はこうだったなぁ、などと回想することも新しい楽しみだ。三年前はこうだった、とか五年前は、などと積み重なっていくことだろう。犬の散歩歴(犬の方ではなく、飼い主の…
関西地方のお母さま方(現地では「おかん」と呼称されている)は、転んで擦りむいたりした子供に対して、「つばつけとったら治る」といった感じのことをよく言っていた。昭和の時代の話だ。昭和の犬は荒い扱いを受けていたと言われるが、昭和の子供たちもな…
未来の予測は簡単だ。誰でも、未来はこうなるであろうと想像することができる。そして、それは概ね間違っていないだろう。人間が想像できることしか、未来では実現していかないので、当たり前といえば当たり前だ。では、未来が予測できるなら、お金を儲ける…
一つには大きな変化を楽しむ日々だ。これは主に若者の求める幸せだと思う。とにかく大きな変化を求めるのだ。毎日同じなんてつまらない。何かしらの行事も毎週のようにあると良い。そのような日々を理想としている。 もう一つは、変わらぬ日々に幸せを見出す…
四年ぶりにiPhoneを新しい物に変えた。iPhone7からiPhone13。7から13だ。さぞかし進化に驚かされるだろうと、届く前からケースなどの周辺グッズを買いそろえて待ち望んでいた。13という数字も好きだ。11も好きだったが、13まで待った。 SIMフリーの端末を買…
ユクは鹿模様だ。これは名の由来でもある。犬は様々模様があって面白い。黒い毛の犬でも、真っ黒ではなかったり、部分的に違う色が混ざったり、皮膚は白かったり。よく見ると同じ犬種でも微妙に違っている。 ユクの模様の特徴は、第一にはその鹿柄で、第二に…
ユクは、二歳となった今でも相変わらずに散歩中「阿呆」になることがある。予兆は感じられるが、どのように対処しておけば「阿呆」にならないかということは未だ判っていない。 一緒に歩いていて、私の隣をお利口そうに歩いて顔を見つめる。周りからは、なん…