ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

犬は嘘をつかない。

お人好しという言葉は、あまり良い意味では使われない。自分がお人好しなのではないか、と気づいたのは三十代も半ばとなった頃だったように思う。中学生のとき、近所の友達にファミコンのソフトを二十本くらい貸したら、いつのまにかその友達が引っ越してし…

ユクの社会性が育ってきた。

と言っても良いのではないか、と最近感じている。 怯えるがゆえに唸ってしまい、相手の犬とその飼い主さんを敬遠させてしまうことが多かったユクだ。あえて過去形で書いたが、いまでも唸る習性は抜けきれてはいない。落ち着きのない行動にも、近所の犬と飼い…

小躍りする犬。風流な犬。

犬は笑わない。笑った顔に見えることもあるが、それは人間が犬の顔に笑顔を見ているだけで、犬が人間のように笑っているわけではない。では、犬に感情がないかというとまったくそんなことはなく、喜怒哀楽が豊かだ。それは犬と接してみればすぐに分かること…

センチメンタルな人間の嗅覚

神戸のニュータウンで育った。ニュータウンというのは、一般的な言葉なのだろうか。神戸の山は開拓され、平たい台地となった。その上に新しい住宅地が建設された。台地の上だからか、「何とか台」という名称の住所が多かった。山の土は海に持って行かれて、…

ひょっとして苦手ではないのでは?

散歩から帰ってきて、ユクがいかにも満足している風なときと、そうでないときがある。沢山歩いて体力を使ったあとや、新しい場所に行きクンクン活動を頑張ったあとなどは大変満足気である。帰ったらくたびれてすぐに眠る。犬のお友達と一緒に遊ばせてもらっ…

犬が構えとるでしょうが!

ユクは大きい方をするとき、なかなか位置が定まらない。まず、どこでしようか、ということから始まる。一年も一緒に散歩をしていると、いつどこで催すのか、ということが分かってくる。分かってくると偉そうに言ったが、思いもよらないところで構え始めるこ…

あいつの朝礼を3回聞くと死ぬ、と言われた男と生き延びた保護犬。

社会人一年生となったときに勤めていた会社で、月に一度ほど朝礼の挨拶という役目が回ってきた。初回は、萩原朔太郎の「くさった蛤」を朗読し、どんよりとした空気を営業フロアに醸し出した。2回目は、自然が環境がと言うが、人間対自然という見方そのものが…

ユクがうちへ来て一年経った。人と犬の気持ちが交わる瞬間。

過ぎてしまえば、一年というものは、あっという間だ。それでも中身を振り返れば、この一年は濃密であった。 一日2回の散歩を欠かさなかった。365×2で730回は散歩に連れて行ったことになる。妻と手分けしていることを割り引いても400回は行っている。1回の平…

黒柳徹子さん朗読の「窓ぎわのトットちゃん」

最近は、本を朗読したデータが売られている。オーディオブックというものだ。私も何冊(もはや冊ではないが)か購入して聴いてみた。本の種類によっては大変聴きづらく、内容がまったく頭に入ってこない。図解が必要なものは先ずもって音声データでは理解が…

髪の毛の色にうるさい犬。

ユクは臆病な犬だ。警戒心が強い、と言い換えることもできる。遠くに見知らぬ犬を見かけると、歩を止めじっと相手を観察する。まだ30メートルくらい距離があるのに、後ろ脚は小刻みに震えている。そして小さく、ゔゔゔゔゔゔと唸り始める。 もちろん相手が人…

悪さをしない犬に人間のそばで生き抜いてきた遺伝子を見る。

犬は悪さをするもの、と思っていた。 ユクを迎えた日、本当に数分前まで、自宅の片付けをしていた。食べ物の入った袋をなるべく仕舞ったり、高いところへ避けたりした。電源コードをかじったら危ないのでは、と電源コードを纏めたりもした。庭の犬小屋につな…