ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

恨めしいなどと思わぬ犬。(のようになりたい人間)

私はいま、足首を怪我している。ブラジリアン柔術の練習中に足首をひねられた。あいつは壊し屋だから気をつけたほうがいいよ、と注意を受けていたのだが、気をつける間もなく、壊されてしまった。関節技は非常に危ない。だから練習で関節技をかけて相手を怪…

テリトリーと所有欲求。

ユクは、うちに来てからしばらくの間、吠えなかった。どのような声で吠えるのだろうか、もしかしたら吠えない犬なのか、とすら思っていた。それがある日、お隣に住む犬を窓越しに見て、吠えた。とても標準的な犬の声をしていた。吠えたものの、のちにその犬…

犬にだけ見える沼。

犬を飼っていると、動物病院へ定期的に行くこととなる。特別調子の悪い犬でなくとも、だ。法律で義務付けられている狂犬病ワクチン接種などを受けに行く必要がある。動物病院へ行くために犬を自動車に乗せる。ユクは自動車に乗るのが大好きなので、出だしは…

牛蹄(ぎゅうてい)が好き過ぎて、知恵を働かせた犬。

夜、私はシャワーを浴びていた。と、そこへ扉の外から妻の声がした。返事をしたのと同時に扉が開かれた。なかなかの緊急事態ではないか。私とは違い、虫が現れたくらいで妻がこのように騒ぐ筈はない。揺れは感じていないので、地震でもない。浴室は明るいの…

半分降りたような人間の戯言。

平均寿命を参考にすると、人生の半分はゆうに過ぎた。四十を越えた頃は、まだ半分、という余裕を感じていた。百二十歳くらいまで生きるつもりでいたから、まだまだ三分の一だ、くらいに考えていた。ところがどうだろう、五十を越えた辺りから、心持ちが変わ…

犬と雨宿り。

夕方。散歩の時間だ。あまり水分を摂らないユクのためにヤギミルクを用意してやる。ペットボトルに水を入れ、トリーツバッグにおやつを入れる。ドライTシャツを着て、ポケットの沢山付いたズボンに履き替える。ポケットには「ポイ太くん」が四枚忍ばせてある…

最初に読んで、いまでも愛読している犬のしつけ本。

犬と暮らすのは初めてなので、犬のしつけや散歩の仕方など、何も知らない状態だった。保護犬の預かりボランティアさんを通じて、ユクを迎え入れるにあたり、ケージやリードなどは教えていただいて事前に用意できたが、肝心の心構えやしつけの方法などを別に…

遠慮する犬。早起きな犬。

ユクの朝は早い。これはユクに限らず、犬の、と言うべきだろうか。見聞きした感じだと、太陽の早く昇る季節には、犬に早くから起こされる飼い主さんが多いように思われる。辺りが明るくなってくるとともに起き始めるのは自然だ。人間である私も本来はそうあ…

食べ物命の男たち。

ユクは「食べ物命」の男だ。その行動に、すべては食べることのため、という気概を感じる。一度食べ物に目をやると、見逃すまい、というつもりなのか、視線を絶対に外さない。ロックオンという言葉がぴったりだ。また、人間の手をよく見ている。部屋に人間が…

信心。手を合わせる美しさ。

私の住む北鎌倉界隈にはお寺が多い。お寺が多いどころか、お寺と山しかない、と冗談で申し上げるほどに、お寺と山に囲まれている。お寺は山にあるものだから、やはりお寺が中心ということになろう。 私は特定の宗教を信じていない。無宗教である、と断言する…