ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

2022-01-01から1年間の記事一覧

笑顔の毎日。良いお年をお迎えください。

ユクがうちへ来てから三度目の年末である。二〇二〇年の春にうちへやって来たから、丸二年は犬と暮らしてきた。最初は何も知らない分からないという状態であったから、そこから考えれば、随分と慣れたものだ。世話は毎日のことなので、慣れて然るべきだ。 仲…

淡い交わり。

「淡交」という言葉は、荘子の「君子之交淡若水」という言葉に由来する。裏千家茶道の月刊誌にその名が付けられている。歳を重ねるほどに意味の分かってくる種類の言葉だと思う。 つまり、失敗したな、という経験をして、学習を重ねてきたからこそ、腑に落ち…

タキシードだけがドレスアップではない。

ラジオを聞いていた。ある男性の話し手が、「先日、パーティーに出て、タキシードを着たんだよね」と言った。それを受けて、アメリカ育ちの日系人と思しき女性の話し手が、「いいよね、日本人ってあまりそういうのがないよね。たまにドレスアップして気分を…

お見送り犬。犬の演技力。

ユクは寒いのが苦手な犬だ。朝、家族を起こし、リビングに集合させる。そのくせ、自分は犬用ベッドで丸くなり、二度寝を始める。散歩に行きたくて起こしたわけではないらしい。てっきり漏れそうだから、早く準備して散歩に連れて行ってくれ、と訴えているも…

ここほれワンワン。

私は幼稚園生のとき、お遊戯会で「花咲爺さん」を披露した。花形は正直爺さんである。目立ちたがり屋の私はその役を演じたかった。しかし、その役を仰せつかったのは、幼稚園児ながらに顔立ちの整った別の男の子だった。私の役は、意地悪爺さんに鍬で叩かれ…

無理をしない犬。

足首の怪我も癒えてきて、身体の調子も随分と良くなってきた。人間の話だ。 少しの間なら正座も出来るようになり、茶の点前も稽古できるようになった。人様の前で点前を行うのはまだ危険である、という自己判断から、新春茶会での濃茶点前はお休みさせていた…

雲頂庵コースから眺める景色。

ユクとの午後の散歩は様々なコースがある。建長寺を脇に見て、鶴岡八幡宮を抜け、段葛を通り、由比ガ浜まで行くこともある。亀ヶ谷コース、源氏山化粧坂コース、台峯コース、山崎小学校コース、六国見山コース、市街地コース、などと勝手に命名し、妻との会…

お辞儀していこうぜ。

小学生の頃から高校を卒業するあたりまでは、サッカーが大好きで、観たり、実際にプレーしたりしていた。「ドーハの悲劇」の頃には自分ではやらなくなっていたけれど、熱狂してテレビ観戦していた。今では特別サッカーファンではない。四年に一度、にわかに…

好好洞で雨宿り。

毎日犬を散歩に連れて行かねばならない。朝夕の二回だ。ユクが部屋の中で用を足せないからである。さっと外に出て、さっと用を足して、家に帰ってくる、というようなことでもできればまだ良いのだが、それもできない。土砂降りだろうが、横殴りの雨だろうが…

趣味というものは。

誰に対しても同じ態度を取れる人を尊敬する。裏表が無いと言うか、芯が通っていると言うか。そういう生き方に憧れるのである。 人間は社会的な生き物で、他者と関わることで生きて行くことができる。独りで何とかなると考えているのは、考えが浅い。そもそも…

灰色な俺たち。

ユクは茶白の犬だ。頭の辺りとお尻の辺りが主に茶色が強く入っている。胴体には白をベースに茶色の斑点柄が入っている。この斑点柄が鹿のようであるから、この犬は「ユク」という名前になった。アイヌ語で鹿の意味である。 茶白の犬の寝姿。 犬と一緒に暮ら…

そのバイク、整備してくださいな。

ユクは大変、鼻が良い。格好が良いという意味ではなく、鼻が利くということだ。ユクが、と申し上げたが、犬は基本的に人間より鼻が利く。妻がヤギミルクや干し芋の準備をし始めればキッチンの前に現れて、お利口そうに座り、笑みを見せる。広角が上がって、…

アナログな犬。

カシオのデジタル時計を叔母からプレゼントしてもらったのは、私が小学五年生の頃だった。コンピュータがパーソナルなものになりかけた一九八〇年あたりのことだ。 ファミコン? 日本は今では考えられないほど、希望に充ち満ちた様子だった。東京五輪、大阪…

足の方は、その後どうですか?

と、お散歩中に尋ねられた。 5月の末にブラジリアン柔術の練習中に足首を捻られて怪我をしてしまった。二ヶ月くらいは足を引きずりながら、犬には引っ張らないで、とお願いしながら、とても不自由な散歩生活を送っていた。まる三ヶ月間、柔術の練習はお預け…

鼻ツン。犬ってやつは。

ユクが人間に対して何かをアピールする際、まずもって吠えることはない。吠えるのは、気の合わない犬や家に近づいてきた見知らぬ人(配達員含む。すみません)に対してである。ではどのような手段でメッセージを伝えようとするのか。私たちが椅子に座ってい…

割稽古(わりげいこ)

茶道を習い始めると、最初は「割稽古(わりげいこ)」から、と決まっている。茶の湯の稽古は「茶事(ちゃじ)」を行うためのものだ。茶事は数時間をかけて行われる、準備や招待を考えれば、数日を要する。 待合の犬。(本当は雨宿り中) 待合で支度をし、庭…

三歳が一番可愛い?永遠の三歳児

三歳児。人間の子供の話だ。世間ではこのように言われているらしい。二歳児はまだ分別がなく、何でも触ったり、口に入れたりするので、親は大変だ。それが三歳になると少し言うことを聞くようになり、ルールを守れるようになってくる。親の側にも少し余裕が…

成功体験。

何かに成功した、ということを積み重ねることによって、成長が期待される。人間の話だ。 上手く行ったり褒められたりすると、自信がつく。自信すなわち自己肯定感というものだろうか、それが高められることによって、次の行動も上手く行くようになる好循環を…

ディスタンス。

その言葉を知ったのは、アルフィーの歌だったろうか。パンデミック以降は、望まなくとも覚えなくてはならない言葉となったので、いまではおそらく幼い子供でも知っていることと想像する。 波打ち際のディスタンス。(水が怖いだけ) バンド活動を若い時から…

山はじめました。

振り返ってみると色々あったなぁ、となるものだが、ふと、過ぎてゆく時間は早いと感じる。いよいよ十一月である。一日の気温の幅が大きく油断ならないが、朝夕の犬の散歩には適温と感じられることが多くなった。気をつけなければならないのは、釣瓶落としと…

見定める男。

私が趣味で取り組んでいる競技、ブラジリアン柔術はコンタクトスポーツである。つまり、取っ組み合いであり、何とかディスタンスとは真逆のスポーツと言える。ディスタンスばかりの世の中はつまらないと思う。ブラジリアン柔術をやるようになって、それがよ…

宮古島と都島。それはどちらもみやこじま。

ブログのタイトル下にある通り、ユクは宮古島で保護された犬だ。これまでの人生で、私は宮古島へは行ったことがない。ユクはそこから来たのだから、宮古島を歩いたことがある。その犬がここにいる。不思議な感じだ。あの青い海を見たことがあるのだろうか。…

久方ぶりの再会。まったく喜ばない犬と喜ぶ飼い主。

母の十三回忌で父の住む愛媛県に帰省した。私は四国に住んでいたわけではないので、これを帰省と言うのかどうか、正確なところは知らないが、父の住むところへ行った。そこに母のお墓があり、法事を行ってくれるお寺もある。 四国は自然でいっぱいだ。普段の…

血便騒ぎ。

妻がユクを連れた朝の散歩から帰ってきて言った。「便に少し血が混ざっていたようなので、午後の散歩でも気をつけて見て」 ユクは見た感じ、とても元気そうだ。朝食の前に行う歓喜の跳躍も調子よくやっている。食欲もある。ガツガツ食べて、おやつの要求もい…

暴れ犬に付けるリード。備えはやはり二重化。

ドラゴンクエストというゲームには自動セーブ機能が備わっていなかった。したがって、子供たちは、「ふっかつのじゅもん」という文字列をテレビの画面から書き写し保管、次にゲームを始める際にそれを入力していた。その仕組みのおかげで続きからゲームをプ…

お留守番のとき、なにをしますか?

私はいわゆる「鍵っ子」だった。私の育った昭和の時代は共働きは珍しく、ほとんどの家では母親が主婦として家に居たように思う。うちは基本的には共働きではなかったが、母親は何かと出かけていた。働きたかったようで、アルバイトなどをしていたようだった…

くるっとマーキング

ユクはオスの犬だ。お散歩中によく出会う、近所の犬たちに学んだのか、マーキング行為を行うようになってしまった。「なってしまった」と言うくらいなので、これを私たち飼い主は快く思っていない。どこでもマーキングをさせるのは社会的なマナーとして良く…

痛みには運動。

二十代の頃。もちろん人間の話だ。腰が痛くて仕方なかった。首も痛かった。中学高校では、遊びに近いクラブ活動しかしてこなかった。大学生になってからは、夜ふかし、煙草、音楽、アルバイト、と、さらに遊んでばかりだった。このように運動をろくにしなけ…

セルフドッグスパ!

仕事のため、久方ぶりに大阪へやってきた。ユクの世話は妻にお任せしてきた。元気にしているだろうか。良い子にしているだろうか。新幹線にユクと乗って、クレートから逃げ出してしまったりしたら、車内はどのような騒ぎになるだろうか。馬鹿走りをして、大…

ギャン吠えを止めさせるおまじない。

制御不能なほど、吠えることがある。一応、犬の話だ。 俺か? ギャンギャン吠えるから、「ギャン吠え」と呼んで(呼ばれて?)いる。犬がこうなってしまったとき、飼い主としては、困ってしまう。まったく犬のしつけができていない駄目な飼い主という世間の…