ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

2021-01-01から1年間の記事一覧

寝室に響くフクロウの鳴く声。

ユクは上手に人間のベッドで寝るようになった。上手に、というのは褒め過ぎかも知れないが、もっと無茶苦茶になるかと思っていたので、意外と大人しく一緒に寝てくれるな、といったところか。私たち夫婦の間で寝て、頭がどちら向きかということはさておき、…

良いときほど慎重に。

と心がけることは、本当に難しい。先人たちが残した言葉にもこのようなことを指し示すものが多いことからも、人間誰しもが行き当たるところなのだろう。 ブラジリアン柔術の全日本マスターという大会に出て、初戦で敗退した。試合終了三十秒前までポイントリ…

ユクは牧羊犬として、きっと良い仕事をする。

と思っている。 年長であり、下戸で妻の晩酌にも付き合えない私は一番に二階へ上がり床に就く。しばらくKindle端末で読書をするが、すぐに力尽きて眠る。しばらくしてから、風呂を上がった妻が隣りにやって来る。夜は大体そのような感じだった。犬と寝始める…

スペイン語「Vamos!」で命令する飼い主。

Netflix(ネットフリックス)のオリジナル製作ドラマ、「ペーパーハウス」に夢中だ。「24(トゥエンティーフォー)」に代表されるような特殊部隊的な要素と、「プリズンブレイク」にあるような脱出、綿密な計画要素など、私の好むものが完璧に含まれている。…

二歳になった犬。ケーキが消えた?

ユクは保護犬なので、生まれた日は推定だ。歯の様子などを獣医さんに見てもらって、おおよその月齢を知る。そこから逆算して、生まれたであろう月を定める。ユクは2019年の9月頃に生まれたと推測された。つまり、今年2021年の9月で二歳になった、ということ…

犬の暮らしている時空は重力が小さいに違いない。

ここ数年で、SF小説を読むようになった。中学高校と仲良くしていた友人がSF小説をよく読んでいた。彼はとても賢く、要領も良かった。世界史の期末試験でのこと。一週間前から着々と勉強をしてきた私。試験前日に彼と一問一答を行うと、私のほうが勝った。と…

寝ていてもサッと起きるやつら。

週に二度ほど、ブラジリアン柔術のクラスに参加している。クラスでは、前半はウォーミングアップとマット運動をし、中盤は技のレクチャーを受ける。後半にはスパーリングといって、実戦形式の練習をし、習った技を試したり、考えてきた技を試したりする。ス…

犬のいたずらに学ぶこと。すべては遊び。

飼っている亀に噛まれたことがある。部屋の中に放してやって、自由に歩かせていたときのことだ。亀は甲羅がずっしりしているので、フローリングを歩くとガタゴトと音を立てる。その音のおかげで、亀が部屋のどの辺を歩いているのか、ということが認識できる…

犬の寝方。寝る形。

ユクは丸くなって寝ていることが多い。とぐろを巻くように寝ている。童謡にある通り、丸くなって寝るのは猫の特徴であると思い込んでいた。ユクが特別な寝方をしているのではなく、犬の寝方としてよくある形のようだ。 これはなかなか合理的な形だ。自らの弱…

犬のように扱われた、という表現に引っかかる。

名古屋出入国在留管理局で外国人女性が亡くなったというニュースがあった。体調不良を訴えていたが、適切な治療を受けさせてもらえなかったそうだ。ご遺族が来日し、彼女の施設での様子を写した映像を確認した。最後まで見ることができなかった、というコメ…

クン活。キャンプ。それは野性ごっこ。

犬のルーツは狼、で間違いないそうだ。狼と犬の遺伝的な分岐は、DNAの解析により、十三万五千年前と計算された。人類が農業を始めたのはせいぜい一万一千五百年前なので、犬が人間に寄り添うようになる、はるか昔に犬という種類は存在したのだ。よく言われて…

ペットの毛が沢山取れるツール。

これまでに一緒に暮らしたことがある動物は、金魚、亀、ハムスター、猫、といったところだ。それらのほとんどは、母親が世話してくれていたので、本当に自分で飼っていた、とは言い難い。実家を出てから飼い始めたのは亀(クサガメ)だ。何となくペットが欲…

決壊。毎夜犬と寝ることに。

犬と一緒に寝る、という夢を叶えた。そして、それは二週間に一度だけ、犬がシャンプーした日の夜だけ、ということで始まった。一緒に寝た翌日に、どうして今日はベッドに上ってはいけないのか、ということを理解してもらえないのではないか、と懸念していた…

犬の早食い対策のためのフードボウル。

ユクは食べるのがとても早い。うちにいる亀(名はカメリ、クサガメのオス十七歳)も同じく早い。私はお腹が減っていると早い。子供の頃、ゆっくりじっくり食べていると、おやつをつまんだことが母親によくバレた。犬も亀も、誰も取りはしないのに、とても慌…

うれション事件

犬はときに「うれション」をしてしまう。うれしすぎておしっこしてしまうことを「うれション」と呼ぶらしい。なぜションなのか。おねしょというくらいだから、「うれしょ」で良いのではないかと思うが、本題から逸れるので、それは置いておきたい。 ユクは、…

犬が死ぬことの含まれたストーリーに敏感になった。

人類より先に、地球外の宇宙空間へ行った犬たちがいることをあるドラマを観て知った。ドラマなのでフィクションかもしれないと思い、調べてみた。その犬たちは実在した。「ソ連の宇宙犬」などで検索すると概要を知ることができる。なぜ犬をロケットに乗せて…

マナーパンツを履いた犬。

マナーパンツ、すなわちオムツである。実際にユクに履かせたことはないが、犬用にマナーパンツというものが売られているのだ。たまに履かされている犬を見かける。幸いユクはどこにでもマーキングするタイプではなかったので、マナーパンツのお世話にはなっ…

ジェンダーレス社会の向こうには、人類と犬の共感社会が待っている。

オンライン会議が主流となり、人と実際に会って仕事をする機会がめっきり減った。オンライン会議で話すこともなく、メールでのみ繫がり、仕事が進行しているケースもある。この件は部下の者が引き継ぎますので、というケースなどだ。昨日、メールの署名部分…

横断歩道でテンション上げなくなった犬。(または人)

ユクが来て二回目の夏を迎えた。最近ふと気が付いたことがある。横断歩道を渡るときに、ヨッシャー!という感じにならなくなったのだ。きっかけはなくて、ただ何となく、しなくなった。もしかして、これが落ち着いてきたということだろうか。二歳を目前に、…

犬のリードを握る手に、ブラジリアン柔術での力の入れ方を応用する。

私が趣味で行っているスポーツ、ブラジリアン柔術は、いわゆる格闘技だ。四十を過ぎて格闘技などやることになるとは思ってもいなかった。引っ越した先でスポーツジムを探していたところ、適当なところがなかった。その矢先、近所に総合格闘技ジムという看板…

犬と寝る計画のその後。ルール無用の人と犬。

犬の行動範囲を徐々に拡げることによって、最終的に一緒のベッドで寝るというところまでたどり着いた。それはおおよそ一年間をかけて達成された。 ユクがうちへ来てからの約一年間は、リビングを犬の行動範囲の限界としていた。当初、夜はリビングにあるケー…

「まるごと馬場のぼる展」で自分のルーツを知る。

幼少の頃、「11ぴきのねことあほうどり」という絵本を買い与えてもらっていた。大学に行くくらいまで、自分の本棚にあったように記憶している。ずっと大切にしてきた、とか模写して楽しんでいた、というほどのことでもない。ただ、持っていたなぁ、という程…

ここにユクがいたら。犬依存重症患者の妄想。

私は自宅で仕事をしている。コロナウイルスが流行する前は、打ち合わせに出かけたり、出張に行ったり、ということも多くあった。いまでは、そういう風習もオンライン会議などに切り替わり、実際にお会いしたことのない方との仕事も増えてきた。お会いして打…

鹿柄の犬。犬の名前をどうやって憶える?

ユクという名前の由来は、アイヌ語の鹿だ。もちろん、この犬の、鹿のような柄から名付けられたものだ。鹿は茶色地に白い斑点なので、ユクの場合は実際とは逆だ。 散歩のとき、出会った犬の飼い主さんとお互いの犬の名前を告げ合う。ユクといいます、と申し上…

犬の気持ち。人間の気持ち。

そのようなタイトルの雑誌があるくらいなので、皆、犬の気持ちを分かりたいに違いない。私もそうだ。しかし、ユクが来て一年ちょっとが過ぎたが、まだユクの気持ちを分かってやれてるとは言えない。なぜここでこんなふうになるのか、ということもままある。 …

犬と人の交わり。私にだけではないの?

ユクは散歩が大好きだ。あらゆる物の匂いを嗅ぐこと、お友達の犬に会うこと、そしてもしかしたら最も期待しているのは、出会った犬の飼い主さんから、おやつをもらうことかもしれない。いや、きっとそうだ。ユクは、必ずおやつをくれる人の居場所を、匂いで…

ワクチンを接種した。

犬の話ではない。人間が、コロナワクチンを接種した。接種するかどうかは、悩んでいた。ワクチンが世に出始めた頃は、様子見のほうが良いのではないか、と考えていた。なにせmRNA(メッセンジャーアールエヌエー)という世界で初めて承認された種類のワクチ…

山の散歩に行けない日々。

鎌倉(山の方)には、ちょっとした山道やハイキングコースが沢山ある。越してきて二年。住人の方の抜け道として作られたかのような道もいくつか発見できた。観光で訪れただけではこういうところは通らないだろうな、という道である。 こういう道、冬は良いの…

鹿の角が届いた。犬が野性を取り戻すツール。

自宅で仕事をしている私は荷受けに忙しい。通販が身近になったいま、毎日のように何かが家に届く。チャイムに対してユクは敏感だ。だらだらと寝そべっていても、チャイムが鳴ると、サッと起き上がり、人間とともに玄関へ向かう。番犬としての役割を果たそう…

犬の挨拶を学ぶ。正しい犬との接し方。

「わあ!可愛いね!」と犬に近づくのは、決してやってはいけないことだ。吠えられても噛まれても仕方のないくらいに、犬にとっては迷惑千万なことらしい。こんなことを書いている私も、ユクを飼い始めるまで、そんなことは知らなかった。犬は嫌いではなかっ…