彼女の家に招待された。犬の話である。 モモちゃんに出会ってクールにきめるユク坊。 ユクには大好きな犬がいる。柴犬のモモちゃんである。モモちゃんの人間のお父さんとお母さんも好きだ。つまり、モモちゃん家族全員が大好きなのである。モモちゃん家族を…
私は網膜剥離というものになったことがある。目の前に、黒い紙片のようなものが現れた。最初は、ゴミでも入ったのだろうかと思った。あるいは、コンタクトレンズに傷が入ったのだろうかとも考えた。コンタクトレンズを外してみても、その黒い紙切れは消えな…
雪が降った。雪深い北国の方たちには申し訳ないが、雪が降ると、そして少し積もると、相当にうれしい。このところ関東地方は水不足でもあるし、少し雨でも降ったほうが良いな、という気持ちでいた。雨ではなく雪であったが、冬には雪がちらつくくらいが心地…
喉が痛い。人間の話だ。 犬の寝姿は最高です。 十五週間に及ぶ大学での講義のための出張期間が終わり、レポートの採点も終え、新春茶会も終わった。今シーズンは風邪をひかずに乗り越えたぜ、と思っていたのだが、ここへ来て喉が痛くなった。気を抜くと風邪…
ユクは、人間からおやつをもらうことに長けている。飼い主である私たちはもちろん、散歩に出かけているときも、他の犬の飼い主さんから上手にいただいている。 長けている!(??) ユクは、全面的に人間を信用しているわけではない。残念だが、それは飼い…
意思疎通と言うまではいかないかもしれないが、お互いに言っていることが通じたな、と感じる瞬間は確かにある。犬と人間の話である。理屈を説明しても、犬はまったく理解を示さない。それでも、つい「こうなんだよ」と語りかけてしまうことがある。通じ合う…
最初の一年は、マーキングなどしなかった。犬の話である。 おうちでは一切しません。 なぜ二年目からするようになったのか。自我の目覚めなのか、オスだからだろうか。メスでも匂い嗅ぎが大好きな犬はいる。縄張り意識ばかりではなく、匂いを嗅いで回ること…
「新春茶会」という大寄せの茶会があった。濃茶席の担当としてお手伝いをしてきた。大寄せの茶会は薄茶席のみ、ということが多いので、大勢の前で濃茶の点前をする機会はなかなかない。年に一度の良い機会である。 コロナ禍で、大寄せの茶会に参加する人数も…
日々、解決しなければいけないことはある。机に座ると、あぁそうだ、と昨日やり残した仕事のことを思い出す。あれもこれも、まだ解決していなかった。そんな感じで一日の仕事が始まる。 寒いからまだ出たくない。 私は二十数年間、ひとりで仕事をしている。…
空気が乾燥している。私の肌もからっからだ。 ニベアメン クリーム 75g 男性用 クリーム ニベアメン Amazon ハンドクリームなど使ってこなかったのだが、五十歳を過ぎたあたりから必要を感じて使い始めた。ちょっと気取ったハーブ配合のようなものを使ってい…
物の名前が出てこない。人間の話だ。 なるべく「あれ」とは言いたくないので、沈黙となってしまう。沈黙が長引く。名前は出てこない。相手に状況を説明して、それが何であるかを逆に尋ねる体裁となる。連想ゲームだ。大抵は相手が名前を言い当ててくれて、事…
古い道具ばかりを使っているからといって、すべてが古臭いというわけではない。茶の湯の話である。 鎌倉で楽しくやっているユク坊。 初釜という、年明け最初の茶会があった。私は半東の役を務めた。お点前を披露する役ではなく、その横で挨拶をしたり、道具…
先生宅の初釜のお手伝いがあり、大阪にいる。事前にいただいた道具組の一覧(文字ではあるが)を眺めながら、江戸時代に思いを馳せている。 新石切にある細いビル。 大阪は「えべっさん」ムードだ。「商売繁昌で笹もってこい!」という掛け声とともに、チキ…
いつかしよう、ということをやめなければいけないな、と思う。もっと良くないのは、「仕事を引退したら」とか、「暇ができたら」と条件を付けることだ。やりたいことは、忙しくても思いついたときに取り組むべきなのだろう。 「いつでも」おやつをもらおう。…
大晦日には紅白歌合戦を観た。ここ数年、観ている。 高校生になったら夜中に友達と外を歩きたい。大晦日は、ほっつき歩くための最高の理由ができる。だから、夕方から出かけて行って、須磨の海岸で初日の出を見るため、歩いて浜まで行った。お金がなくて、暇…
二十四世紀のドラマを観ている。こんな感じの未来になれば良いな、と思う。そこでは、病気も不幸も克服した人類が描かれている。 現実は二十一世紀である。年号は二〇二五年だ。今日は大晦日なので、明日は二〇二六年になる。二〇二六、なんと未来的な響きだ…
サンタクロースの存在を、小学生の頃までは信じていた。プレゼントを持ってきてくれる赤い服を着たおじさんのことだ。十歳の子どもは純粋なのか、阿呆なのか。それとも時代の問題で、今の子どもたちはもっと現実的で、サンタクロースが架空の存在であるとい…
ウェブ制作において、一緒に仕事をしている方の影響でSF作品を読むようになったということは前に書いた。彼は「スタートレック」シリーズのファンでもある。私もそれを知り、シリーズを観ようと何度か挑戦したが、いかんせん映像が古く、世界に入っていけな…
初めてではないが、よく見かける、というほどでもない。ヤモリが家に現れた。 ん? 大抵は外で見かけることのほうが多い。家の中で見かけると、やはりギョッとする。が、大人しいし、動きが気持ち悪くはない。というより、停止している印象である。突然飛ん…
人間、齢五十を超えれば――いや、四十くらいからかもしれないが――いわゆる「老害」と呼ばれる存在にならないよう、気をつけたいものだ。北鎌倉駅の周辺には踏切が多い。先日、遮断機が下りているにもかかわらず、それをくぐって線路を渡ってしまう爺さんを見…
ご近所さんの犬の飼い主さんのお話を聞いた。お留守番ができない、とのことだった。ユクが当たり前にお留守番をしてくれるので、すっかり苦手な犬がいることを忘れていた。自分だって、はじめてユクを留守番させるときには恐る恐るだったし、色々と考えてい…
師走になり、パンデミックの余韻もようやく薄れてきたからか、忘年会がぽつぽつと開かれるようになった。とはいえ、かつてのような「大忘年会」という雰囲気ではない。三人、四人、多くても十人程度。私が今年参加したのは、そのくらいの規模の集まりばかり…
山歩きの季節になったので、毎週のように行っていた砂浜はしばらくご無沙汰だった。数日前からユクが海方面に行きたがっていることを夫婦で共有していた。人間の都合もあるので、日曜日に早めに出て海へ行こう、ということを決めていた。ユクはそんなことが…
ユクの犬種は「フォルモサンマウンテンドッグ」という名称だ。遺伝子検査の結果、ユクはフォルモサンマウンテンドッグが 100 パーセントであることが分かった。お父さんもお母さんも、純然たるフォルモサンマウンテンドッグなのだ。 すれ違いざま、おじさん…
齢五十にして犬を飼い始めた。 おぬし案外ジジイだな。 正確には四十代だったが、まあこの際どうでも良い。むしろ、この年齢で犬と出会えたことをつくづく幸運だったと思う。もっと年を重ねてからでは、これほど犬との散歩につきあう体力も気力もなかったか…
ユクは人間に対して懐いていかない。野良犬っぽい性格、とでも言おうか。人間に対して警戒心を持っているのだと思われる。 おうちではこんな感じなんだけどね。 いつも散歩で会うし、おやつももらうくせに、撫でさせはしない。そのような指針で行動している…
二〇二五年も終わろうとしている。気がつけば、年が明ければ二〇二六年だ。「二〇二六」という数字の響きは、どうにも漫画じみている。ドラえもんの未来都市、バック・トゥ・ザ・フューチャーの空飛ぶスケボー。ああいうものを、私はずっと「未来」と定めて…
今年の長い猛暑と、突然訪れた冷え込みのせいで、秋という季節はすっ飛ばされてしまったのではないかと思っていた。だが、ここに来て北鎌倉の紅葉は見事に色づき、むしろ一気に凝縮された濃厚な秋を楽しませてくれている。 浄智寺の銀杏とユク坊。 円覚寺の…
大阪出張の折、気に入っているピザ専門店に足を運ぶ。毎年毎年この店を訪れ、毎年毎年、チーズがたっぷりのったピザを食べる。今年も六種のチーズがのった贅沢なピザを選んだ。ところが――口に入れた瞬間、何かが違う。いや、味そのものは変わっていないのか…
山を歩くのが好きだ。多分、犬も飼い主もそうだ。平日の山は人影が少なく、もちろん車も通らない。静けさの中で、自分たちだけが小さな小さな生き物として、道の上に存在しているような気持ちになる。ユクはといえば、あっちへクンクン、こっちへクンクンと…