ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

自動車で伊豆旅行へ、ユクとゆく。

伊豆へ旅行に出掛けた。ユクを含めた家族全員の話だ。妻とユクを後部座席に乗せ、私は運転席に座った。自動車を買ってから四年ほどになるが、それほど遠出をしたことがない。せいぜい横浜の動物病院へ行ったくらい。あとは隣町のホームセンターへ行くなどの…

ノイズを減らす。犬の場合と人間の場合。

前回、断捨離について書いた。捨てる気持ちが高まって捨てたときに限って捨てた物が必要になる、と。 なぜ、捨てたくなるのか。それは物のない世界を欲しているからだと思う。つまりノイズを少なくしたいのだ。眼前から物が消え、すっきりとした景色に身を置…

ただ、犬になる。

禅やヨガに中学生の時分から興味があった。大人になってから、坐禅は目的を持って行うものではない、ということが分かった。分かったというのは、理屈を理解したということであって、境地に至ったとか、体得した、ということでは決してない。理屈で分かって…

うちの子も保護犬です。

毎日の散歩で知り合いの犬に会うことは、ちょっとした楽しみである。地域の人たちとの犬を飼っているという共通項によるつながりだ。ユクが他の犬と会えることを楽しみにしているかといえば、どの犬でもよい、ということではない。好き嫌い、合う合わないが…

週末は(も)山へ。鎌倉の山路を駆け回った私たち。

日本は島国だし、山も多い。だから、たとえ街に住んでいようとも自然に触れることは容易だと思われる。その中でも鎌倉という土地は、街と自然のバランスが良い。私たちの住んでいる北鎌倉はそのバランスのことで言えば、自然寄りで、街の要素が少ない。それ…

道を聞かれる男。隠しきれない関西風味。

人間の話だ。私はよく道を聞かれる。よく、と言ってもどなたかと比較して申し上げているわけではない。要するに自分の勝手な感覚でしかない訳だ。それでも、よく道を聞かれるような気がしている。道を聞いて欲しそうな顔でもしてほっつき歩いているのだろう…

犬の花粉症。

犬にもどうやら花粉症があるようだ。犬を飼う前、小田原城で鎧姿をしたチワワが目をしょぼしょぼさせて、鼻を垂らしているところを見かけたことがあった。妻と、犬にも花粉症があるものなんだね、などと話した。人間の反応と似ていて、とても苦しそうに見え…

犬の演技。すべてはおやつのために。

ユクが人間のいないところでは悪さをしないことは何度も書いた。お留守番をしているときに、楽しくなってしまっていろいろな物を破壊して遊ぶということをしない。近所の犬の飼い主さんから、たまにそういうことを聞くことがある。留守中、障子を滅茶苦茶に…

雨の日散歩の楽しみ方。

いい天気ですね、という言葉は難しい。毎日日照り続きでお困りの農家の方にとっては、晴れた日が続きすぎるのは困るはず。そろそろ雨でも降ってもらわねば、飢え死にしてしまう、という気持ちで恨めしく太陽を眺めているかもしれない。そんなところで呑気に…

偉そうなのは、怖いからです。一世一代の大勝負を打つ犬。

生まれてまもない子犬状態からしつけができれば、色々と問題がなかったかもしれない。スーパードッグトレーナーなら、いまからでも間に合うかもしれない。ユクがうちへやって来たのは、生後八ヶ月齢くらいだったので、一応は子犬であった。たしかに来た頃の…

演技をする犬とSF。わたしたちの想像力。

おやつをもらいたいとき、ドタンバタンと音を立てる。犬の話だ。ユクは怖がっているとき以外には吠えない。だから人に何かを伝えるときには、音を立てて知らせる。フローリングに足の爪を当ててカチカチいわせたり、鼻からブシュッと息を勢いよく出し、くし…

犬と山歩き。人にやさしく。

大変わがままで手を焼いている。犬の話だ。言葉が分からないので、ユクは、身振り手振りや語気を感じ取り、雰囲気で振る舞いを替えているように見える。雰囲気をつかむのがとても上手だ。ただし気をつけなければならないのは、何で叱られているのか、という…

犬の粗相は飼い主の責任です。

ユクは外でしか排便できない。うちへ来てしばらくの間、トイレトレーニングということで、ケージの中にトイレスペースを作ってやり、閉じ込めてそこでするまで待つ、ということを何度か試してみた。ところがユクは絶対にしない。どうして閉じ込められている…

雪のことは知っている犬。べちゃべちゃは駄目なんだ。

初めて雪がはらりとしたとき、少し戸惑っている様子が見えた。犬の話だ。白いひらひらしたものを食べようと試みたりしていた。その後、積もった雪も経験して、雪の上をたくましく、楽しそうに歩くようにもなった。気温が低い冬に降るもので、これで雪合戦を…

朝から山へ行くことを決めていた犬。

日々。朝の散歩は近所のお寺の参道を歩かせていただき、つきあたりまで歩いて、そこでユクにおやつをやり、広場に寄って帰ってくる。これで二十分から三十分。帰ってきたら朝ごはんとヨーグルトをやり、私は職場(二階)へ行く。ユクもついてきて、机の横に…

自動車の運転と犬の散歩。初心を忘れるな!

ブラジリアン柔術黒帯の先生が、柔術は車の運転みたいなものだ、と仰っていた。つまりはこう来たらこうする、というようなことが決まっているのだそうだ。特別その場で考えなくとも、自然と身体が動くくらいの判断能力を備えているということになる。 私自身…

正直お犬さん。

「正直不動産」という漫画がある。不動産に関する勉強にもなるし、単純に面白い。不動産屋さんに行くと、何となくこれは騙されているのではないか、という気分になる。多くの人がそのような懐疑心を持った経験をしているのではなかろうか。つまり、不動産屋…

アベックがペアルックでアツアツ。

アベックがペアルック、という表現が使われなくなって久しい。私ですら、アベックという言葉を真面目に使用したことがないので、これは相当に古い言葉なのだろう。まさに昭和時代の言葉だと思われる。ペアルックはまだ生き残っているかもしれない。アツアツ…

コッコのトサカ。

朝起きて鏡の前に立つと、髪の毛の逆立った男がこっちを見ていた。驚きはしない。そこに映っているのは私自身だからだ。さすがに寝ぐせは何とかせねばならない。水を手に取り、頭髪を押さえる。 まだ起きねぇぞ。 幼い頃、母親によく指摘された。母は何故か…

ルールか思い込みか。

ユクは、家の中のほとんどの場所に入って良いことになっている。禁止エリアは台所くらいのもので、その他は自由に出入りできる。ドアノブをジャンプして開けるというような芸当はしないので、ドアを閉めてあれば、出入りはできない。せいぜい引戸を鼻先で開…

夜中に吐いた犬と動揺が隠しきれていなかった飼い主。

うぐぐぐ。という音で目が覚めた。 掛ふとんが盛り上がる下で、ユクが背中を丸めて立っていた。うげうげうげ。と吐いた。吐いたものはドッグフードのような物だったように思うが、寝ぼけていてよく覚えてない。 そんな格好で寝るからではないか。 ユクは口を…

おみくじの効用。

今週は茶の湯の稽古場の初釜があり、大阪に滞在している。久しぶりの長期滞在だ。長期といっても三泊だけだが、夜、犬に起こされないのは寂しい。寂しいといっても、実際にはよく眠れる。毎年参拝している大阪の神社へ、この機会に新年のご挨拶に参った。駅…

ユクとゆく、なら。

犬と行く、冬の散歩コースには山がよく選ばれる。夏場にもユクは山の方へ行きたがるので、選んでいるのは人間である。午後のお散歩は、特に犬にとっての一大イベントであるので、なるべくユクの行きたいところへ行かせてやりたいと考えているし、クン活にも…

新年の抱負。ドライブ。

年が改まり、本来であれば心も改めるべき、と思う。改まる年ももちろんあった。が、今年は何となく年越しをしてしまった。去年のことを思い返してみれば、なかなか良い年であった。できれば年を越したくない、くらいに考えていたのだろうか。 年越したくない…

お寺と山の北鎌倉。

鎌倉は人で溢れかえっていたことだろう。何せ鶴岡八幡宮がある。初詣のお客さんが大勢いることが想像できる。押し合いへし合いしている場所へ、あまり行きたくはない。そもそもあそこの境内は犬の出入りが禁止されている。ユクと行けない。ユクとゆく、と言…

こじんまりと年越しを祝う。

あけましておめでとうございます!と書くのが憚られる年明けとなった。考えてみれば、おめでたくない人は常に存在するわけで、おめでとう、という言葉は今の社会では難しい言葉になった。全世界の人たちの、もしくは動物たちの、あるいは生きものすべてのこ…

するっと年越し。

年越しの瞬間、毎年逆立ちをしていた。小学生の頃の話だ。毎年は言いすぎか、三年くらいのことかも知れない。カウントダウンが始まる前に、カシオのデジタル時計を電話の時報で正確に合わせる。その時計を見ながら、壁に向かって逆立ちをする。午前零時を指…

犬用の光る首輪。格好良いのは首輪か犬か。

動く玩具には電池が必要、という感覚は現代ではあまりない。実際には、電池が不要になったわけではない。充電式電池が内蔵されていることが多く、円筒形の電池を自分で玩具に仕込む必要がなくなったから、電池が要らなくなったように感じているだけだ。 スマ…

ミッドライフ。終わりは誰も知らないので、へっちゃら。

人生半ばである。後半に近いほうだろう。それでも呑気に犬とだらけて過ごしているのは、終わりが分からない、つまりそのときがいつ来るのか分からないからである。そのときが突然来れば、来たことも分からず終わる可能性すらある。実際そのような最期を迎え…

バランスとプラモデル。

期末試験が近づくと、なぜかプラモデルが作りたくなった。人間の話であり、随分と前、私が中学生の頃の話である。試験が終わったら、グフを作るぞ、とか、アッガイをお小遣いで買おうなどという考えが四六時中頭の中をめぐり、勉強をその合間に進める、とい…