膝は痛い。坂を下るときが痛い。朝目覚めるたびに、ああ、怪我したんだな、と思い出す。と、いうことは寝ている間は痛くないのだろう。大した事ない。ということにしておきたい。 ゆっくり歩いて欲しい、とユクにお願いしながら散歩している。振り返るユクは…
今度は膝を怪我した。人間の話だ。 怪我を克服したユク坊。 ブラジリアン柔術の試合中に膝にのっかられて、両膝ともに傷めた。怪我をするたびに、ああ、これでもう柔術はできなくなるのかな、と頭をよぎる。網膜剥離をしたとき、足の指を骨折したとき、足首…
ユクと一緒に寝るようになって、三年くらいになるのだろうか。うちへ来た当初は、眠る場所は違った。階も別だった。一年くらい経ってから、なし崩し的に一緒に寝るようになった。 犬と眠ることは幸せに満ちている。毎晩、変わることなく、ユクはベッドに上が…
山歩きが大好きだ。人間もそうだが、犬の話だ。山に入ると、ユクの目つきが変わる。野性的と呼ぶに相応しい目ををしている。自然と、こちらの言う事をあまり聞かなくなる。行きたい方、嗅ぎたい方へリードを引っ張る。ただしそれだけでは主従関係が崩壊する…
なんとなく、予定がないのは悪いことのように感じる。ましてや、休日に予定がないと世間からずれた奴のように思われるだろうか。 歳をとって、仕事を若い時のようには出来なくなった。誰でもそうだろう。体力、集中力が若い頃とは明らかに違う。同じようにや…
犬は遊びや勝負を理解しているのか。よーいドンでかけっこをして、どちらが先に着いた、つまり勝ったというような概念を理解しているのだろうか。 一番になりたいユク坊。 二階から一緒に降りるとき、階段の途中でユクは私を待つ、少し追い抜かせてから、ス…
桜が満開になり心も浮かれるか、と、思いきや、今年何となくそんな気分にならない。パンデミックによる自粛ムードが明けて、今年の春は本格的に桜を楽しもうということだろうか。北鎌倉界隈も沢山の人だ。 花びらの道をゆくユク坊。 人が動くから、人が集ま…
最近ユクはグルメになった。そう言えば聞こえは良いが、食べ物に対して選り好みをするようになった。以前はまったくと言って良いほど、何でも食べた。SNSなどで、うちのこが食事を残して困ります、などの投稿を見ても、ユクは何でも食べるし助かるな、くらい…
ユクにハーネスと首輪を付けて、リードを繋ぐ。毎回の散歩の準備である。ふと。玄関が生臭い。生ゴミでも落ちているのだろうか。見回すがそんな様子はない。準備の褒美(通常のドライフード一粒)をユクにやり、ドアを開ける。 春眠なんとかってやつ?しらん…
二泊三日の伊豆、修善寺旅行の話は続く。丸一日滞在できる中日は一日中雨模様だった。 卒業式などのイベントは雨だったことが多い。 天気予報を見て、流石は雨男よ、と思ったが、宿の部屋は雰囲気が良いし、ユクも一緒に来られたし、いつでも入れる温泉風呂…
まったく旅行記の体をなしていないが、修善寺旅行の話はつづく。(すみません)私たちの止まった宿は、「ラフォーレ修善寺」というエリアの中にある宿だ。ホテルやらコテージやら、ゴルフ場やら宴会場やら、とてつもなく広い敷地に様々な施設が存在している…
ユクはお留守番が得意だ。もちろん人間側が一方的に「得意」と言っているだけで、得意がっているわけではない。見守るためのカメラを設置しているので、留守番をしているユクを見ることができる。まったく得意そうにしていない。むしろ、退屈でたまらんわ、…
前回、伊豆旅行のことを書きはじめた。意気込み過ぎて、久しぶりに運転したことだけで終わってしまった。妻に「運転のことしか書いてないではないか。あれでは着いたかどうかも分からない」と指摘された。ごもっとも。目的地は修善寺だ。しかし、今回も修善…
伊豆へ旅行に出掛けた。ユクを含めた家族全員の話だ。妻とユクを後部座席に乗せ、私は運転席に座った。自動車を買ってから四年ほどになるが、それほど遠出をしたことがない。せいぜい横浜の動物病院へ行ったくらい。あとは隣町のホームセンターへ行くなどの…
前回、断捨離について書いた。捨てる気持ちが高まって捨てたときに限って捨てた物が必要になる、と。 なぜ、捨てたくなるのか。それは物のない世界を欲しているからだと思う。つまりノイズを少なくしたいのだ。眼前から物が消え、すっきりとした景色に身を置…
禅やヨガに中学生の時分から興味があった。大人になってから、坐禅は目的を持って行うものではない、ということが分かった。分かったというのは、理屈を理解したということであって、境地に至ったとか、体得した、ということでは決してない。理屈で分かって…
毎日の散歩で知り合いの犬に会うことは、ちょっとした楽しみである。地域の人たちとの犬を飼っているという共通項によるつながりだ。ユクが他の犬と会えることを楽しみにしているかといえば、どの犬でもよい、ということではない。好き嫌い、合う合わないが…
日本は島国だし、山も多い。だから、たとえ街に住んでいようとも自然に触れることは容易だと思われる。その中でも鎌倉という土地は、街と自然のバランスが良い。私たちの住んでいる北鎌倉はそのバランスのことで言えば、自然寄りで、街の要素が少ない。それ…
人間の話だ。私はよく道を聞かれる。よく、と言ってもどなたかと比較して申し上げているわけではない。要するに自分の勝手な感覚でしかない訳だ。それでも、よく道を聞かれるような気がしている。道を聞いて欲しそうな顔でもしてほっつき歩いているのだろう…
犬にもどうやら花粉症があるようだ。犬を飼う前、小田原城で鎧姿をしたチワワが目をしょぼしょぼさせて、鼻を垂らしているところを見かけたことがあった。妻と、犬にも花粉症があるものなんだね、などと話した。人間の反応と似ていて、とても苦しそうに見え…
ユクが人間のいないところでは悪さをしないことは何度も書いた。お留守番をしているときに、楽しくなってしまっていろいろな物を破壊して遊ぶということをしない。近所の犬の飼い主さんから、たまにそういうことを聞くことがある。留守中、障子を滅茶苦茶に…
いい天気ですね、という言葉は難しい。毎日日照り続きでお困りの農家の方にとっては、晴れた日が続きすぎるのは困るはず。そろそろ雨でも降ってもらわねば、飢え死にしてしまう、という気持ちで恨めしく太陽を眺めているかもしれない。そんなところで呑気に…
生まれてまもない子犬状態からしつけができれば、色々と問題がなかったかもしれない。スーパードッグトレーナーなら、いまからでも間に合うかもしれない。ユクがうちへやって来たのは、生後八ヶ月齢くらいだったので、一応は子犬であった。たしかに来た頃の…
おやつをもらいたいとき、ドタンバタンと音を立てる。犬の話だ。ユクは怖がっているとき以外には吠えない。だから人に何かを伝えるときには、音を立てて知らせる。フローリングに足の爪を当ててカチカチいわせたり、鼻からブシュッと息を勢いよく出し、くし…
大変わがままで手を焼いている。犬の話だ。言葉が分からないので、ユクは、身振り手振りや語気を感じ取り、雰囲気で振る舞いを替えているように見える。雰囲気をつかむのがとても上手だ。ただし気をつけなければならないのは、何で叱られているのか、という…
ユクは外でしか排便できない。うちへ来てしばらくの間、トイレトレーニングということで、ケージの中にトイレスペースを作ってやり、閉じ込めてそこでするまで待つ、ということを何度か試してみた。ところがユクは絶対にしない。どうして閉じ込められている…
初めて雪がはらりとしたとき、少し戸惑っている様子が見えた。犬の話だ。白いひらひらしたものを食べようと試みたりしていた。その後、積もった雪も経験して、雪の上をたくましく、楽しそうに歩くようにもなった。気温が低い冬に降るもので、これで雪合戦を…
日々。朝の散歩は近所のお寺の参道を歩かせていただき、つきあたりまで歩いて、そこでユクにおやつをやり、広場に寄って帰ってくる。これで二十分から三十分。帰ってきたら朝ごはんとヨーグルトをやり、私は職場(二階)へ行く。ユクもついてきて、机の横に…
ブラジリアン柔術黒帯の先生が、柔術は車の運転みたいなものだ、と仰っていた。つまりはこう来たらこうする、というようなことが決まっているのだそうだ。特別その場で考えなくとも、自然と身体が動くくらいの判断能力を備えているということになる。 私自身…
「正直不動産」という漫画がある。不動産に関する勉強にもなるし、単純に面白い。不動産屋さんに行くと、何となくこれは騙されているのではないか、という気分になる。多くの人がそのような懐疑心を持った経験をしているのではなかろうか。つまり、不動産屋…