ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

灰色な俺たち。

ユクは茶白の犬だ。頭の辺りとお尻の辺りが主に茶色が強く入っている。胴体には白をベースに茶色の斑点柄が入っている。この斑点柄が鹿のようであるから、この犬は「ユク」という名前になった。アイヌ語で鹿の意味である。 茶白の犬の寝姿。 犬と一緒に暮ら…

そのバイク、整備してくださいな。

ユクは大変、鼻が良い。格好が良いという意味ではなく、鼻が利くということだ。ユクが、と申し上げたが、犬は基本的に人間より鼻が利く。妻がヤギミルクや干し芋の準備をし始めればキッチンの前に現れて、お利口そうに座り、笑みを見せる。広角が上がって、…

アナログな犬。

カシオのデジタル時計を叔母からプレゼントしてもらったのは、私が小学五年生の頃だった。コンピュータがパーソナルなものになりかけた一九八〇年あたりのことだ。 ファミコン? 日本は今では考えられないほど、希望に充ち満ちた様子だった。東京五輪、大阪…

足の方は、その後どうですか?

と、お散歩中に尋ねられた。 5月の末にブラジリアン柔術の練習中に足首を捻られて怪我をしてしまった。二ヶ月くらいは足を引きずりながら、犬には引っ張らないで、とお願いしながら、とても不自由な散歩生活を送っていた。まる三ヶ月間、柔術の練習はお預け…

鼻ツン。犬ってやつは。

ユクが人間に対して何かをアピールする際、まずもって吠えることはない。吠えるのは、気の合わない犬や家に近づいてきた見知らぬ人(配達員含む。すみません)に対してである。ではどのような手段でメッセージを伝えようとするのか。私たちが椅子に座ってい…

割稽古(わりげいこ)

茶道を習い始めると、最初は「割稽古(わりげいこ)」から、と決まっている。茶の湯の稽古は「茶事(ちゃじ)」を行うためのものだ。茶事は数時間をかけて行われる、準備や招待を考えれば、数日を要する。 待合の犬。(本当は雨宿り中) 待合で支度をし、庭…

三歳が一番可愛い?永遠の三歳児

三歳児。人間の子供の話だ。世間ではこのように言われているらしい。二歳児はまだ分別がなく、何でも触ったり、口に入れたりするので、親は大変だ。それが三歳になると少し言うことを聞くようになり、ルールを守れるようになってくる。親の側にも少し余裕が…

成功体験。

何かに成功した、ということを積み重ねることによって、成長が期待される。人間の話だ。 上手く行ったり褒められたりすると、自信がつく。自信すなわち自己肯定感というものだろうか、それが高められることによって、次の行動も上手く行くようになる好循環を…

ディスタンス。

その言葉を知ったのは、アルフィーの歌だったろうか。パンデミック以降は、望まなくとも覚えなくてはならない言葉となったので、いまではおそらく幼い子供でも知っていることと想像する。 波打ち際のディスタンス。(水が怖いだけ) バンド活動を若い時から…

山はじめました。

振り返ってみると色々あったなぁ、となるものだが、ふと、過ぎてゆく時間は早いと感じる。いよいよ十一月である。一日の気温の幅が大きく油断ならないが、朝夕の犬の散歩には適温と感じられることが多くなった。気をつけなければならないのは、釣瓶落としと…

見定める男。

私が趣味で取り組んでいる競技、ブラジリアン柔術はコンタクトスポーツである。つまり、取っ組み合いであり、何とかディスタンスとは真逆のスポーツと言える。ディスタンスばかりの世の中はつまらないと思う。ブラジリアン柔術をやるようになって、それがよ…

宮古島と都島。それはどちらもみやこじま。

ブログのタイトル下にある通り、ユクは宮古島で保護された犬だ。これまでの人生で、私は宮古島へは行ったことがない。ユクはそこから来たのだから、宮古島を歩いたことがある。その犬がここにいる。不思議な感じだ。あの青い海を見たことがあるのだろうか。…

久方ぶりの再会。まったく喜ばない犬と喜ぶ飼い主。

母の十三回忌で父の住む愛媛県に帰省した。私は四国に住んでいたわけではないので、これを帰省と言うのかどうか、正確なところは知らないが、父の住むところへ行った。そこに母のお墓があり、法事を行ってくれるお寺もある。 四国は自然でいっぱいだ。普段の…

血便騒ぎ。

妻がユクを連れた朝の散歩から帰ってきて言った。「便に少し血が混ざっていたようなので、午後の散歩でも気をつけて見て」 ユクは見た感じ、とても元気そうだ。朝食の前に行う歓喜の跳躍も調子よくやっている。食欲もある。ガツガツ食べて、おやつの要求もい…

暴れ犬に付けるリード。備えはやはり二重化。

ドラゴンクエストというゲームには自動セーブ機能が備わっていなかった。したがって、子供たちは、「ふっかつのじゅもん」という文字列をテレビの画面から書き写し保管、次にゲームを始める際にそれを入力していた。その仕組みのおかげで続きからゲームをプ…

お留守番のとき、なにをしますか?

私はいわゆる「鍵っ子」だった。私の育った昭和の時代は共働きは珍しく、ほとんどの家では母親が主婦として家に居たように思う。うちは基本的には共働きではなかったが、母親は何かと出かけていた。働きたかったようで、アルバイトなどをしていたようだった…

くるっとマーキング

ユクはオスの犬だ。お散歩中によく出会う、近所の犬たちに学んだのか、マーキング行為を行うようになってしまった。「なってしまった」と言うくらいなので、これを私たち飼い主は快く思っていない。どこでもマーキングをさせるのは社会的なマナーとして良く…

痛みには運動。

二十代の頃。もちろん人間の話だ。腰が痛くて仕方なかった。首も痛かった。中学高校では、遊びに近いクラブ活動しかしてこなかった。大学生になってからは、夜ふかし、煙草、音楽、アルバイト、と、さらに遊んでばかりだった。このように運動をろくにしなけ…

セルフドッグスパ!

仕事のため、久方ぶりに大阪へやってきた。ユクの世話は妻にお任せしてきた。元気にしているだろうか。良い子にしているだろうか。新幹線にユクと乗って、クレートから逃げ出してしまったりしたら、車内はどのような騒ぎになるだろうか。馬鹿走りをして、大…

ギャン吠えを止めさせるおまじない。

制御不能なほど、吠えることがある。一応、犬の話だ。 俺か? ギャンギャン吠えるから、「ギャン吠え」と呼んで(呼ばれて?)いる。犬がこうなってしまったとき、飼い主としては、困ってしまう。まったく犬のしつけができていない駄目な飼い主という世間の…

季節を移ろわせる香り。

花や木の名前を覚えられない。茶人としては致命的である。そもそも覚える気がないのか、そんなことはない。興味がないといえばそれまでだが、もう少しなんとかならぬものか、といつも思う。 ちゃんと覚えないと、この靴下ズタズタだぜ。 散歩をしている途中…

犬と暮らす濃密な日々。

犬と暮らしはじめて、相対性理論のことをよく考えるようになった。と、書けば賢そうだが、理系にも文系にも疎い芸大出の感覚で生きている者にとっては、なかなか難しい問題であり、真に理解しているかと問われれば、まったく自信がない。私たちが感じている…

雨雲レーダーとにらめっこ。雨だと気が乗らない犬を散歩に。

空がゴロゴロと鳴ることが、この夏は多く感じた。台風とそれに伴う豪雨。犬と散歩に出かけるときも、スマホのアプリで雨雲レーダーをチェックすることが習慣となっている。2つくらいのアプリを見比べて、セカンドオピニオンも受ける。最終的に決めるのは自分…

右側が怖い男。行きはよいよい帰りは怖いの怪。

散歩中、ユクが、どうしてもそちらには行きたくない、と力づくで拒否することがある。これは大変危ない。車道横の歩道を歩いていて、突然逆側に渡ろうとすることもある。車道に出ようとする動きだ。リードを付けているとはいえ、人間の心臓に良くない。もし…

丁寧に暮らしたい雑な人間の屁理屈。

丁寧に暮らす、という言葉がここ数十年で流行っている。一日として同じ日はないので、今日一日をしっかりと味わい、丁寧に暮らすということの印象は、とても良い。私もそうありたいな、と思う。歳を重ねるほどに、一日一日のありがたみも変わってくる。それ…

ある一日。お誕生日の犬。

ユクが三歳になった。野良犬としての生活が数ヶ月間あり、明確なお誕生日は不明である。お医者さんに歯など見ていただき、推定何ヶ月齢というところから、九月生まれであろう、ということになった。いま、九月であるから、三歳ということになる。 うちへ来た…

くっつきたがる犬。

犬のシャンプーをした日の夜のみ、犬と一緒に寝る。という計画を立てたものの、すぐに破綻した。今日が特別である、という概念を犬が理解しないからである。昨日今日ということよりも、布団に入ってよし、とされた、ということが犬にとっては重要なことであ…

猫との格闘。臆病な犬のケース。

ユクは猫が嫌いなようだ。家へやって来る前にユクがお世話になっていた預かりボランティアさんのお宅には猫も数匹住んでいた。ユクは平然と一緒にいて、大丈夫そうに見えたが、猫をかぶっていたのか。 犬も丸くなるのさ。 高校生の頃、仲良くしていた犬が近…

なぎさ橋珈琲へユクとゆく。

鎌倉から逗子へ向かう海岸線を車で走る。右手に海が見えて、大変心地よい。週末は渋滞もするが、海の前なので、そんなに苦にならない。同じような光景(といえば関東の人に怒られそうだが)が神戸の方にもある。須磨から塩屋、舞子を走る国道2号線がそうだ。…

余生、二十二年目。

いつかの法事の帰り、父と叔父、叔母、従兄弟たちと食事をしていたときのこと。私はもう五十歳になる、というようなことを話していた。すると、七十を越えた父と叔父が、声を揃えて、「五十は若いぞ」と言った。経験からそう感じたであろう言葉は、信じてお…