そのようなタイトルの雑誌があるくらいなので、皆、犬の気持ちを分かりたいに違いない。私もそうだ。しかし、ユクが来て一年ちょっとが過ぎたが、まだユクの気持ちを分かってやれてるとは言えない。なぜここでこんなふうになるのか、ということもままある。
ユクとの散歩中、ジャックラッセルテリアを連れた男性と出会った。ユクは興奮して飛び回っている。それでも近づいて、お話させていただいた。ユクがこのように飛び跳ねても、若い犬に対して理解のある飼い主さんは多い。今回もユクは興奮してしまったが、人間同士がお話をしている間に落ち着いてきて、少しずつ向こうの犬との距離も縮まってきた。経験を積むのだ、ユク坊(そして私)。
その男性によると、連れているそのジャックラッセルテリア君は人間の言うことが何でも分かるそうだ。起こしてきて、と言うと二階へ上がって息子を起こしに行ったりもします、と仰っていた。犬の気持ちどころか、犬が人間の言うことを理解してくれてるのか。それはすごい。
いや、それならばユクにも能力はある。人間の言うことは聞かないが、人間の気持ちは分かるようである。気持ちが見透かされているから聞かない、とも言えるのか。
こちらがしょげていると、どうしたんだ?というような感じで寄ってくる。前に来て、こうしたら機嫌良くなるんだろう?喜ぶんだろう?元気出せよといった感じで、こちらが何も言ってないのにオテやオカワリをしてくる。
勘違いかもしれない。単におやつが欲しかっただけかもしれない。それでも一緒に過ごす時間を重ねるほどに、心のつながりも感じられるようになった。少しずつだが、少しずつだからこそ良いものである。