ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

犬と人の交わり。私にだけではないの?

ユクは散歩が大好きだ。あらゆる物の匂いを嗅ぐこと、お友達の犬に会うこと、そしてもしかしたら最も期待しているのは、出会った犬の飼い主さんから、おやつをもらうことかもしれない。いや、きっとそうだ。ユクは、必ずおやつをくれる人の居場所を、匂いで発見することが得意だ。さすが、警察の捜査や災害救助の役に立つ犬がいるくらいだから、その犬という生き物の能力には感心させられる。ただし、ユクのこの能力は人のためにではなく、ユクのためだけに使われている。

f:id:oven9:20210718170432p:plain鼻を地面に近付けて、フンフン鼻を鳴らしながら嗅ぐ犬と一緒に歩いていると、まるで警察犬を連れているかのような気分になる。クンクンしている速度と歩く速度が相乗的に、テンポ良く上がってくる。そして確信を得たのか、嗅ぐことを止めて、ダッシュし始める。すみません、すみません、と言いながら、前を歩く人々を駆け足で追い抜いていく一人と一匹。角を曲がると、そこにいつもおやつをくれる男性がいた。

「ユクちゃん、良かったね」と言われる。よくぞ見つけた、おやつにありつけて良かったね、という意味だ。その通りである。

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ハイタッチの失敗!テヘッ。

いつも可愛がってくださって、お手やお座りの稽古までつけてくれる。ところが、ユクはあまり撫でさせない。それが飼い主としては歯痒い問題だ。犬好きな人は、やはり犬にも好かれたいものだろう。ユクはその方のことはきっと大好きだ。しかし、撫でられるのは違うのだ。

随分いただいているのだから、もう少し愛想良くしてもらいたいものだが、こればかりは仕方ない。これでもユクにしては充分に懐いている。

私も御多分に洩れず、外で出会う犬達にも好かれたいと思っている。接し方を勉強したこともあって、なかなか犬に対して上手なアプローチができるようになったのではないかと自己評価している。お腹を見せて撫でさせてくれる犬や、前脚を浮かせて乗っかってくる犬など、大変フレンドリーな対応をしてくれる犬も多くいる。初対面でもそのようにしてくれるとうれしいものだ。

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そりゃ、けっさく!

そこで飼い主さんが一言。
「この子は誰にでもこうなんです。すみません〜」ああ、私にだけではなかったのか、と自惚れを反省するのであった。