ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

寝ていてもサッと起きるやつら。

週に二度ほど、ブラジリアン柔術のクラスに参加している。クラスでは、前半はウォーミングアップとマット運動をし、中盤は技のレクチャーを受ける。後半にはスパーリングといって、実戦形式の練習をし、習った技を試したり、考えてきた技を試したりする。スパーリングをする相手は任意で、目が合ったら、という感じである。身体の小さい私は、目を合わせる相手を慎重に選ばなければならない。誰とでもスパーリングできます、という感じではない。粗暴な大柄とスパーリングすると怪我をするからだ。

柔術のクラスには、子供たちも参加をしている。残念ながら犬は参加していない。土曜日のクラスともなると、親子で参加している方も多く、大変にぎやかだ。スパーリングの時間が始まろうとするとき、柱を背に座っている小学生が見えた。よく見ると、寝ている。ブラジリアン柔術は、殴り合ったりしないので、比較的安全な格闘技ではあるが、さすがにマットの上で眠れるほど安全ではない。マットの上で眠たくなったこともない。この子は、なかなかの大物になるかも知れない、と周りの大人たちが口々に言った。

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寝技は得意なユク坊。

結局、その子は、眠すぎるようなので、マットから降りて、ジムの隅ですやすやとしばらく寝ていた。途中、首の力が抜けて後頭部を壁で打ち、側にいた別の小学生が笑い転げていた。爆笑されても格闘技ジムでの睡眠はつづく。数分して、そちらを見たら、その子はいなくなっていた。なんと、起きてスパーリングしていたのだ。入念にウォーミングアップしないといけない私には理解のできない行動だ。子供というのはすごい時空を生きているものだ。

f:id:oven9:20210913152753p:plain普段、犬の散歩に出かける時刻は、おおよそ決まっている。陽の暮れる時刻が季節によるので多少前後はするが、大体同じ頃だ。朝と夕の二回、連れていく。朝の散歩が終われば、ユクは食事をして、お昼までしばらく寝る。お昼に少しおやつを食べて人間と遊んで、夕刻になれば、五キロほどの散歩へ出かける。そして、戻ったら夕食だ。

同じリズムで過ごすのが良いのか悪いのか、よく分からない。散歩の時刻や行き先を変えて、飼い主のリズムで主導してやるのが良い、という説も目にする。理屈は理解できるが、そのようなことをせずとも主従関係は築けているような気もする。

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海辺だろうが何だろうが情報収集に余念がないユク坊。

九月とはいえ、まだまだ暑い。陽が照っていると地面が熱くなるので、日中に犬を連れ出せない。昨日は日曜日で昼から曇っていた。昼から犬と出かけるチャンスだ。由比ヶ浜まで往復十キロほど、ロングウォークに出かけた。

砂浜では久しぶりに、思いっきり駆けているユクを見られた。いつもと違うところを歩くと犬にとって刺激的なのは間違いない。お家に帰ってきて、ユクはパタンと寝た。満足げだ。午前中に寝ることをせず、海まで行ったので、眠たそうだった。

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夏はフローリングが心地よさそう。

それでも、外でしか用を足せないユクを夕方にはまた散歩に連れて行かねばならない。いつもなら午後四時くらいから、早く外に行こうぜ、とちょっかいを出してくるユクだが、その日はさすがに疲れているのか五時になっても寝ていた。

散歩行くよ!と三度ほど玄関から呼びかけてようやく、トボトボとやってきた。数分後、何事もなかったかのように私をぐいぐい引っ張って、あっちをクンクンこっちをクンクン。犬もすごい時空を生きているようだ。