ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

犬の早食い対策のためのフードボウル。

ユクは食べるのがとても早い。うちにいる亀(名はカメリ、クサガメのオス十七歳)も同じく早い。私はお腹が減っていると早い。子供の頃、ゆっくりじっくり食べていると、おやつをつまんだことが母親によくバレた。犬も亀も、誰も取りはしないのに、とても慌てて食べる。そこに少しだけ野性を感じる。

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ヨーグルト大好きなユク坊

犬によっては、食べ物を残しておいて、穴や寝床に隠す、ということをするらしい。ユクはまったくそういう雰囲気がない。ドッグフードを残すところも見たことがない。ユクの気が済むまで食べさせれば、お腹が風船のように膨らみ、空に浮かんで破裂するまで食べてしまうのではないかと恐ろしさすら感じている。

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マズルに付いたヨーグルトを敷物で拭うユク坊。やめていただきたい。

食べる量については、ドッグフードの袋の裏に書かれてあるとおりの分量を与えるようにしている。これだけで済むのか、と疑問を感じるほどの量ではあるが、よく考えられた栄養が含まれているのだろう。元気に走り回るし、出すものもきちんと出る。人間用にも近頃は、「完全食」と謳った製品があるようなので、試してみたいと思っている。しかし、栄養を摂るためだけに食べているわけではないので、「完全」という言葉が、栄養にしかかかっていない時点で、私にとって魅力は少ない。

ドッグフードの栄養については大きく心配はしていない。しかし、早食いは気になる。これまでに何度か、ユクが食べたものを吐いたことがある。その吐瀉物を観察すると、咀嚼されなかったフードの塊が多く見られた。早食いは健康に良くない、ということは人間社会でも言われることだ。経験からも、よく噛んで食べた方が、お腹に優しいということは理解できる。犬にとっても、早食いは健康に良くないはずである。ゆっくり食べてもよく噛まないということは起こりうるが。

 まずは、フードを中に入れることのできるグッズを買ってみた。なかなか食べるのが大変そうだ。それでも舌を使ったり、マズルで転がしたりして、上手に食べる。少量をあげるときにはこれが丁度良い。ただし、朝夕二回の散歩後の食事には少し小さ過ぎる。なので、普通に銀色のボウルにじゃらっと盛って出していた。じゃくじゃくじゃくと小気味良い音をたてて食べている様子が気持ち良い。詰め込み型では、このようにガツガツ食べられないので、見ていて不憫に感じる。ついつい、皿に盛ってやりたくなる。

早食いについては、ずっと気にはしていた。
最近、早食い防止用のボウルが売られていることに気が付いた。さっそく妻に、こういう物があるらしいのだがどう思われるか、と尋ねたところ、「すでに私が以前に見せていた」とカウンターを食らった。人(特に妻!)の話はしっかり聞かねばならない。チクリと言われたものの同意を得たので、早食い防止ボウルを注文した。

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導入の結果、これが大変良かった。
以前のユクは、一回の食事を約二十秒で済ませていた。このボウルでは、それが二分半に延びた。実に七倍以上の効果だ。詰め込み型ほど大変そうではないので、不憫に思うこともない。丁度良い難易度だ。

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ゆっくり食べられるようになった!

ミニサイズを購入した。届いたときは、大きいな、と感じたけれど、ある程度の大きさは、機能上仕方のないことだ。重すぎず軽すぎず、重量感も気に入った。置き場所がフローリングでなければ滑ることもないだろう。

早食いについては、人間の私も改めなければならないと考えている。そして、どのような形態で出されても、文句ひとつ言わず、素直に目を輝かせて食べる犬を見習い、己を省みるべきだろう。