ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

2021-01-01から1年間の記事一覧

犬に対してはリーダー役を引き受けなくてはならない。

何かの代表になる、たとえば会社であったり、委員会の会長だったり、バンドのリーダーであったり。そういう類のものを避けて生きてきた。アカレンジャーよりアオレンジャーが好きだったので、きっとこれは子供の頃からそうだ。一番は嫌で、二番目くらいが丁…

昨日は良くて、今日は駄目。犬には理解してもらえない人間のわがまま。

犬と人間とのルール作りにおいて難しいところは、理屈が通らないことだ。何が得であるか、という認識も人間とは大きく違う。たとえば、一度にすべてを食べてしまわず、あとに取っておいたほうが良い、などということをユクに言っても通じない。 野生の犬はい…

犬と一緒に寝る試み

犬と一緒に寝てみたい、というのは多くの飼い主が考えることだろう。考えるも何も、普通に毎日同じ布団に入って寝ている方もいらっしゃると想像される。うちは犬は一階、人間は二階で寝るという決まりになっていた。(二階解禁になったので過去形) いざ、犬…

二階解禁で犬にも余裕ができた。

ユクの定位置はリビングの一角、窓辺である。リビングでは自由にさせていて、唯一キッチンにだけは入ってはいけないというルールになっている。ユクはそれを守っている。基本的に二階で仕事をしている私は、朝の散歩のあとは二階へ上がる。ユクは、はぁ、上…

お気に入りのアウトドア用ベッドで風流に過ごす犬。

犬は自分の物という概念を持っているらしい。玩具を与え放しにしないほうが良いとも言われる。いろいろと玩具を与えて自由にさせていると、沢山持ち物のある自分は偉い、と犬がなってしまい、飼い主の言うことを聞かなくなったりするらしい。言うことを聞か…

足の指を怪我(捻挫)した。

人間の話だ。足の親指をひどくくじいた。ブラジリアン柔術の練習中、足の親指を怪我した。スパーリングという実践的な練習中ではなく、技の研究をしている最中に、相手の身体とマットの間に足の親指が曲がったまま挟まってしまった。バキボキ!と音がしたけ…

二階解禁。犬の行動可能範囲を広げた。

ユクの脚が良くないこともあり、二階へ上がることを禁止してきた。滑りやすい木製の階段なので、慌て者のユクはきっと階段落ちしてしまう。 犬と人がずっと一緒にいるのは良くない、という見解も意識してきた。犬が飼い主に依存してしまい、お留守番などを上…

無頼に憧れる、きちっとしたい男。

学生時代、友人の部屋へ遊びに行ったところ、CDの中身とケースがバラバラに収納されていたことがあった。自分の持ち物ではそのようなことは絶対にしたくないが、平気でそうできる友人を少し羨ましくも感じた。汚れるのは嫌だけど、汚れても平気な顔をしてい…

褒めて伸ばすしかない!

体罰はいけない、という世の中になって本当に良かった。小学四年生のころ、皆の前に立たされて叱られているとき、先生に後ろ回し蹴りを食らった。予想外であり、腹に食らったので、一瞬息がしにくくなり、大変苦しかったことを記憶している。しかし、なぜ叱…

お散歩中の犬の排泄に関する観察。ハート型とダイヤ型。

ユクがうちへ来た頃、散歩中どこで排泄を始めるのかがまったく分からなかった。すたすたと歩いていると思いきや、道のど真ん中で突然立ち止まり構えはじめるので、何度も狼狽えた。特に大きい方は「ポイ太くん」で拾って処理せねばならず、車が来てしまって…

犬の馬鹿走りの原因を、なかなか分かってやれない。

突然、犬に何かしらのスイッチが入り、ガウガウと走り回ることがある。ユクがうちへ来た当初は大変驚いた。ガウガウ言って走り回っている犬など、長年見た経験がなかったからだ。調べるとすぐにそれは、「馬鹿走り」や「阿呆走り」と呼ばれていることが分か…

犬は嘘をつかない。

お人好しという言葉は、あまり良い意味では使われない。自分がお人好しなのではないか、と気づいたのは三十代も半ばとなった頃だったように思う。中学生のとき、近所の友達にファミコンのソフトを二十本くらい貸したら、いつのまにかその友達が引っ越してし…

ユクの社会性が育ってきた。

と言っても良いのではないか、と最近感じている。 怯えるがゆえに唸ってしまい、相手の犬とその飼い主さんを敬遠させてしまうことが多かったユクだ。あえて過去形で書いたが、いまでも唸る習性は抜けきれてはいない。落ち着きのない行動にも、近所の犬と飼い…

小躍りする犬。風流な犬。

犬は笑わない。笑った顔に見えることもあるが、それは人間が犬の顔に笑顔を見ているだけで、犬が人間のように笑っているわけではない。では、犬に感情がないかというとまったくそんなことはなく、喜怒哀楽が豊かだ。それは犬と接してみればすぐに分かること…

センチメンタルな人間の嗅覚

神戸のニュータウンで育った。ニュータウンというのは、一般的な言葉なのだろうか。神戸の山は開拓され、平たい台地となった。その上に新しい住宅地が建設された。台地の上だからか、「何とか台」という名称の住所が多かった。山の土は海に持って行かれて、…

ひょっとして苦手ではないのでは?

散歩から帰ってきて、ユクがいかにも満足している風なときと、そうでないときがある。沢山歩いて体力を使ったあとや、新しい場所に行きクンクン活動を頑張ったあとなどは大変満足気である。帰ったらくたびれてすぐに眠る。犬のお友達と一緒に遊ばせてもらっ…

犬が構えとるでしょうが!

ユクは大きい方をするとき、なかなか位置が定まらない。まず、どこでしようか、ということから始まる。一年も一緒に散歩をしていると、いつどこで催すのか、ということが分かってくる。分かってくると偉そうに言ったが、思いもよらないところで構え始めるこ…

あいつの朝礼を3回聞くと死ぬ、と言われた男と生き延びた保護犬。

社会人一年生となったときに勤めていた会社で、月に一度ほど朝礼の挨拶という役目が回ってきた。初回は、萩原朔太郎の「くさった蛤」を朗読し、どんよりとした空気を営業フロアに醸し出した。2回目は、自然が環境がと言うが、人間対自然という見方そのものが…

ユクがうちへ来て一年経った。人と犬の気持ちが交わる瞬間。

過ぎてしまえば、一年というものは、あっという間だ。それでも中身を振り返れば、この一年は濃密であった。 一日2回の散歩を欠かさなかった。365×2で730回は散歩に連れて行ったことになる。妻と手分けしていることを割り引いても400回は行っている。1回の平…

黒柳徹子さん朗読の「窓ぎわのトットちゃん」

最近は、本を朗読したデータが売られている。オーディオブックというものだ。私も何冊(もはや冊ではないが)か購入して聴いてみた。本の種類によっては大変聴きづらく、内容がまったく頭に入ってこない。図解が必要なものは先ずもって音声データでは理解が…

髪の毛の色にうるさい犬。

ユクは臆病な犬だ。警戒心が強い、と言い換えることもできる。遠くに見知らぬ犬を見かけると、歩を止めじっと相手を観察する。まだ30メートルくらい距離があるのに、後ろ脚は小刻みに震えている。そして小さく、ゔゔゔゔゔゔと唸り始める。 もちろん相手が人…

悪さをしない犬に人間のそばで生き抜いてきた遺伝子を見る。

犬は悪さをするもの、と思っていた。 ユクを迎えた日、本当に数分前まで、自宅の片付けをしていた。食べ物の入った袋をなるべく仕舞ったり、高いところへ避けたりした。電源コードをかじったら危ないのでは、と電源コードを纏めたりもした。庭の犬小屋につな…

源氏山公園から寿福寺へ抜ける道で墓に囲まれる。

源氏山公園から、いつもは化粧坂切通を下り、扇ヶ谷に抜けてくる。そして、亀ヶ谷坂を登って北鎌倉のほうへ戻って来る。良く通る散歩コースのうちの一つだ。今日は源氏山公園から化粧坂切通を下らずに、真っ直ぐに進んでみた。ユクが何となくそちらに行きた…

お礼

茶の湯の稽古に大阪まで通っている。十年ほど前、大阪から神奈川に引っ越す際、私はお茶の先生に引っ越す旨を伝えた。齢九十の先生は「鳩が豆鉄砲を食った」ような顔をされた。鳩が豆鉄砲を食った顔を実際には見たことがないが、鳩が豆鉄砲を食うとこのよう…

少しずつマーキングするようになった犬。

犬にはマーキングという習性がある。 犬を飼う前は、縄張りをアピールしているのかな、くらいに思っていたが、実はマーキングにはお互いの情報を交換する目的もあるそうだ。年齢や健康状態などを嗅ぎとることができるらしい。まったく人間には想像もつかない…

尻尾を振る速度が緩やかな犬。

犬が喜びを表現しているイメージとして、尻尾を振る、というものがある。実際には尻尾以外にも、跳び上がったり、万歳するように立ち上がったり、伏せして出迎えたり、と様々な喜びの表現があることを、ユクが来てから知った。中でももっともポピュラーな表…

見事な尻尾じゃのう、と褒められた犬。

ユクはご年配の方に何故か人気だ。「脚が長くて犬らしい格好だわね」と感心されることや鹿のような斑点模様を美しいと言ってくださることもよくある。また、あるときにはおじいさんが一言、「見事な尻尾じゃのう」と褒めてくださった。恐らくその人気の理由…

ポチとその思い出。犬のために作った歌。

犬を飼うのは、ユクが初めてだ。しかし、仲の良かった犬は高校生の頃にいたことがある。名前は「ポチ」という。ポチは、私の小学生のときからの親友が飼っていた犬で、一緒によく散歩に出かけた。ポチを連れて昼夜問わず、神戸のニュータウンを男二人と犬一…

犬が鼻を鳴らした。

このような表現が小説などによく出てくる。フンッと、確かに鼻を鳴らしたような音を出すことがある。しかしこれは、匂いを嗅いだ息継ぎとしてのフンッであるように、私には思われる。 景色よりも地面 ユクは散歩に出て、そこら中の匂いを嗅ぐのが大好きだ。…

ついにクレートに入った犬

「そうそう、今日はクレートに入れたんだよ」と妻。そんなすごいことをさらっと言ってのけた。ユクはクレートには絶対に入らなかった。これはきっと、保護された時のことや空輸された時のことなどの記憶がそうさせているのだ、と考えていた。 ひどく嫌がるの…