ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

クン活。キャンプ。それは野性ごっこ。

犬のルーツは狼、で間違いないそうだ。
狼と犬の遺伝的な分岐は、DNAの解析により、十三万五千年前と計算された。人類が農業を始めたのはせいぜい一万一千五百年前なので、犬が人間に寄り添うようになる、はるか昔に犬という種類は存在したのだ。よく言われている、狼を飼いならした、という説は誤りだろう。狼がそんなにフレンドリーであれば、今でも一緒に暮らせるはずだ。
つまり、野性の犬を飼いならし、人と暮らす犬になっていった、というのが正しい理解だ。(参照「犬の科学」)

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マーキングするユク坊。

多くの犬が行うマーキングという行為には、縄張りを主張しているという説がある。そのように考えて、マーキングをしているユクを見ると可笑しい。おいおいユク坊、縄張りを主張しているのかい?と思う。ただ、ユクが縄張りを主張しているようにはどうしても見えない。おやつや好きな犬には興味がありそうだが、縄張り争いには興味がなさそうだ。それでも、入念に匂いを嗅ぎ、たまにマーキングをしている。犬は匂いで相手の犬の年齢や体調などが分かるそうだから、何かの情報をそこから得ているのだろう。または情報交換か。何かに役立っているかは不明だが、ユクは情報収集が大好きなようだ。役に立たないけど楽しい、ということかも知れない。私もそんなことばかりが大好きだ。

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散歩中はクン活に忙しい。

野性時代からの遺伝子が、そのような行動に導いているとも考えられる。特に意味がなく、楽しいだけならば、それは野性ごっこと呼んでも良いだろう。人間の行っている、キャンプというものもつまりは野性ごっこだ。極端に火を恐れる遺伝子を持った人々は滅びていっただろうから、現在生き残っている人たちは、たいてい火を見たり扱ったりするのが好きな遺伝子を持っていると想像される。キャンプファイヤーで心が癒やされるのはそのためではないか。

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外を歩くのが大好きなユク坊。

ところで、私はユクとキャンプに行ってみたい。古くからの友人は驚くだろう。なにせ、これまでの人生で、キャンプに興味を持ったことはほとんどないし、テントで夜を明かしたことも一度しかないような人間だからだ。幸い妻はキャンプに詳しいので、何とかなるかも知れない。

キャンプ。犬と人とで行う野性ごっこの実現が楽しみだ。
きっとテントの前で、一万年前の犬と人との出会いごっこなどを行うに違いない。

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ソロキャンプを楽しむユク坊。(走り去った猫を警戒している)