ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

犬の挨拶を学ぶ。正しい犬との接し方。

「わあ!可愛いね!」と犬に近づくのは、決してやってはいけないことだ。吠えられても噛まれても仕方のないくらいに、犬にとっては迷惑千万なことらしい。こんなことを書いている私も、ユクを飼い始めるまで、そんなことは知らなかった。犬は嫌いではなかったので、何度か初対面の犬に失礼な態度で接してしまったかもしれない。

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犬を飼い始めるにあたって本を読み、犬との正しい接し方を学んだ。犬と接するときは犬同士の接し方を参考にすると良いということだった。まずは敵意がない、敵ではない、ということを犬に分かってもらわなければならない。そのための方法は、目を見ないこと、大きな声で話しかけないこと、いきなり触ったりしないことだ。その知識を得ると、大きな声で「わあ!可愛いね!」と言い、目を輝かせながら近づき、撫でようとするのがいかに危険な行為であるか、ということが分かる。

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ユクと散歩に出るようになって一年、よその犬たちと出会うことも多々あった。その経験を積んで、ようやく犬との接し方が少し分かってきた。半信半疑であったが、しゃがんでよそ見をしていると、本当に犬は近づいて来て、こちらの匂いを嗅ぎ始める。そして、尻尾の様子などから、こちらへの興味が持続しているかどうかなどが見て取れる。その段階になって握りこぶしを差し出して、怖がってないかなど確認する。大丈夫そうなら、優しい声をかけながら、撫でるなどのスキンシップに移行する。自分のことながら、こういうことが出来るようになったのはうれしい。同じ地球で暮らす、犬という動物たちとマナーを共有しているのだから。

日増しに、ユクも犬同士の挨拶が上手になってきているのではないかと感じる。昨日も初めて出会うビーグル犬に上手く挨拶が出来た。よく吠える犬だそうで、最初は相手の飼い主さんが犬を横に寄せて道を譲ってくださった。しかし、ユクは唸ることなく、相手の犬のことを見ているし、向こうもワクワクしている感じで興味を持ってくれてそうだった。この機会を逃すわけには行かない。近づけても大丈夫ですか、と訊ねてみた。吠えてしまうかも、と言いながらも少しずつ近づけさせてもらった。

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大先輩犬に対して、遊ぼうぜ!のポーズ

うまくいった。
ユクは正面を少し避けて、少し視線を逸らしていた。なんとマナーの良い奴、と私は心の中で涙していた。その後もお互いを嗅ぎ合って、二頭は上手に挨拶を交わしていた。ユクは性格なのかまだ若いからなのか、遊ぼうぜ!とお尻を突き出したポーズ(プレイバウ)をして、その気のない相手をびっくりさせてしまうことも多い。が、今回はそれもなく、本当に教科書に載っているような犬の挨拶をしていた。

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クン活にいそしむユク坊

人間も犬も、日々学び成長してるんだなぁ、とユクに話しかけながら帰路のクン活に多めに付き合った。
帰宅後に鏡を見たら、ひどい寝癖の人間が写っていた。マナーどころの騒ぎではない。