ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

ペットの毛が沢山取れるツール。

これまでに一緒に暮らしたことがある動物は、金魚、亀、ハムスター、猫、といったところだ。それらのほとんどは、母親が世話してくれていたので、本当に自分で飼っていた、とは言い難い。実家を出てから飼い始めたのは亀(クサガメ)だ。何となくペットが欲しくなり、デパートの屋上で亀を買った。どの子にしますか?と店員さんに尋ねられて、他の亀たちを踏みつけて、ぐいぐいとこちらに向かってきた亀を指差し、こいつにします、と申し上げた。六百円也。帰り道、小さな瓶に入った生き物と地下鉄に乗るのは妙な気がした。帰宅後、亀の寿命を調べてみると三十五年ほど、となっていて驚いた。亀は万年という言葉を忘れていた。そんな適当な縁ではあるが、十八年目のいまも一緒に暮らしている。

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毛の生えた動物と同居するのは久しぶりだ。当然、ペットの抜け毛問題に直面する。
その昔、猫と暮らしていた頃、抜け毛などまったく気にしていなかった(親が掃除していたからだろう)が、部屋や洋服が毛だらけになるのは困る、と大人になってからは思うようになった。そんなこともあって、亀だったのかも知れない。ユクが来る前に、そのことは少し不安に思っていた。

f:id:oven9:20210829123414p:plainまずはユクの行動できる範囲を決め、いたずらをされては困るものとは接触させないようにした。ユクの行動範囲は一階のリビングだけ、ということにして、大切な物は二階へ持って上がった。そして、毎朝の散歩時に、リビングでお掃除ロボットを走らせるようにした。犬が在宅時に走らせると、犬とロボットの闘いが始まるため、これは散歩時が適している。お掃除ロボットなんて怠惰な人間の使うものだ、と考えていたが、これなら怠惰と呼ばれても平気だ。犬の毛の回収にはうってつけではないか。

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掃除ロボットのように丸まるユク坊。

ペットの毛が付くのは嫌だ、と思っていたが、一緒に暮らし始めると、その感覚は麻痺してくる。人間というものは、環境に適応するものだ。慣れ、とも言う。さらには犬に対して二階を解禁し、リビングだけではなく、二階建ての家のどのエリアにでも行って良い、ということにした。さらに慣れた。そして、今では一緒に寝るようにもなった。
毛が付くのが嫌、という段階はもう過ぎ去った。付いた毛をどうするか、という段階に至った。一階リビングではお掃除ロボットが活躍している。洋服に付いた毛はコロコロローラー洋服用というものを用いて対処している。問題はベッドだ。

f:id:oven9:20210829124422p:plainリビングにおける毛の掃除は毎日だが、ベッドにおける毛の掃除も毎日必要である。しばらくコロコロローラーで毎朝コロコロした。転がしても転がしても毛が取れる。コロコロのシートをめくり、新しくする。大量に毛が取れるのは良いが、シートのゴミも大量に出てしまう。これではあまり効率的ではない気持ちがするので、新しく「ぱくぱくローラー」という可愛らしい名前のほこり取りローラーを導入してみた。これがとても良く取れる。

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ほこりを取るためのエチケットブラシがうまく組み込んであって、電動でもない。アイデア商品と言って良いものなのだと思う。そして、沢山集まったユクの毛を見ると、コロコロの紙ゴミを沢山出さなくて済んだ、という本来とは関係のない喜びの気持ちまで湧き出てくるおまけ付きである。