と心がけることは、本当に難しい。先人たちが残した言葉にもこのようなことを指し示すものが多いことからも、人間誰しもが行き当たるところなのだろう。
ブラジリアン柔術の全日本マスターという大会に出て、初戦で敗退した。試合終了三十秒前までポイントリードしていて、「良い」状態であった。そこで勢い付けて、さらに攻めに行った。あと三十秒守るという選択肢もあったはずだが、頭の中にあったのは「攻撃は最大の防御」という言葉だった。ときにはそれも正解なのだろうが、今回は違った。逆に腕を取られて極められた。腕ひしぎ逆十字という有名な技だ。あと数秒という思いから、タップ(参ったの意思表示)も遅くなってしまった。肘からバリバリバリと音がするまで我慢してしまった。
腕が折れはしなかったが、しばらく痛いので、ユクにはあまり引っ張らずに散歩してくれるようお願いしようと思っている。
ユクの散歩の折によくお会いする方から、散歩の途中で犬のハーネスが抜け、走っていってしまい、肝を冷やしたという話を聞いた。幸い何事もなく、走っていった先で捕まえることができたとのこと。ユクよりも先輩犬だし、重ねてきた散歩の回数も断然多い。そんな犬でもハーネスが外れて走り出してしまうことがあるのだ。
ユクは家から脱走しようとはしないが、屋外でハーネスが外れてしまえば確実に走っていくだろう。想像しただけでも怖い。
ちょっと慣れてきて、散歩も「良い」感じになってきた今こそ気を引き締めたいものだ。
腕はしばらく痛いので、教訓としてしばらく何度も思い出したい。
気分が沈むので「テッド・ラッソ」を観たら、「勝ち負けは気にしてない」と言っていた。視野、視点を変えなければいけないのかも知れない。