犬が喜びを表現しているイメージとして、尻尾を振る、というものがある。実際には尻尾以外にも、跳び上がったり、万歳するように立ち上がったり、伏せして出迎えたり、と様々な喜びの表現があることを、ユクが来てから知った。中でももっともポピュラーな表現方法は尻尾振りであろう。
パタパタパタパタ、と勢い良く尻尾を振りながら笑顔で近づいてきてくれる犬は、犬が怖くなければ誰でも嬉しいものだろう。私も犬を飼うまでは、一般的なイメージしか持ち合わせていなかったので、ユクを見て、また散歩の途中で出会う他の犬達を見て、喜びの表現にも多数やり方があることを知ったのだ。
ユクは、パタパタパタパタと尻尾を振らない。振らないのか振れないのかは不明だが、とても緩やかにしか振らない。大好きな犬に出会ったとき、尻尾はゆーらゆらと揺れているので、あれがユクの喜びの表現なんだろう、と理解している。
尻尾振りの速度だが、うちへ来た当初より、少し速度が増してきたように感じている。もしかしたら、尻尾を振るコツ(そういうものがあるのか分からないが)を掴めてきたのではないか、とも思う。
もっと速度が上がってくるかも知れない。ただ、ゆーらゆらとフサフサの尻尾を揺らす様子が、私はとても好きなので、コツなど掴まず、ゆーらゆらを貫き通して欲しいものだ、と心の底では思っている。