ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

ついにクレートに入った犬

「そうそう、今日はクレートに入れたんだよ」と妻。そんなすごいことをさらっと言ってのけた。ユクはクレートには絶対に入らなかった。これはきっと、保護された時のことや空輸された時のことなどの記憶がそうさせているのだ、と考えていた。

 

ひどく嫌がるのが可哀想で、クレートに入れるのを半ば諦めていた。ユクがクレートに入らない、という話をしていたら、近所の犬の飼い主さんから、食事の前にクレートの中におやつを入れておくと良い、というような助言をいただいた。これにはクレートの中には良いことがある、と覚えてもらうという意図がある。長らくクレートに入る練習をしていなかったが、そのことを聞いて、また、クレートに入ってもらうよう促す、クレートトレーニングを再開した。災害時などクレートに入れないと困る状況も起こりうるから、大切なことである。

 

クレートの奥におやつを入れておくと、鼻の良いユクはすぐに嗅ぎ付け、おやつにたどり着く。しかし、頭はクレートに突っ込むものの、決して後ろ脚をクレートに入れない。しばらくこれが続いた。たまにクレートの中を自ら探索しに行くようにもなった。後ろ脚は外のまま。そういう感じであるから、クレートに入ってこちらを向く、というようなことは夢のまた夢、難しそうだった。

ところが、できるようになったというのだ。

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ユクがクレートに入ってる!

このクレートは、まだ車を持っていなかったときに、私がペットショップで買ってきたものだ。え?お車ではないのですか?と尋ねられた。はい、持って帰ります、と言って、電車に乗って持ち帰ってきたものだった。大きいクレートを担いでなかなかの距離を歩いた。苦労して買ってきたのにまったく入ってもらえないので、落胆した。

ところが、入るようになったというのだ。

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余裕じゃ、と言わんばかりのユク坊

「ユク、ハウス!」という妻の声とともに、ユクがクレートに入った。「フセ」で伏せた。あの、絶対に入らなかったユクが、クレートに入って伏せ、こちらを向いている。今日はクレート記念日だ、と慌てて撮影した。ブレた。

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感動にブレた写真

うちへ来てから11ヶ月。信頼関係がさらに深まったようでうれしい。難しいことだが、犬のしつけ、訓練というものは、諦めずにコツコツ続けることが肝要だ、と改めて感じた。