ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

カクカクいう膝を持つ飼い主と犬。犬に学べ!

怪我から一週間が経ち、ようやく病院へ行った。忙しくてなかなか時間が取れなかったのだ。ネットで予約してから行ったものの、とても待たされた。ドアを開けると、五十人はゆうに超えるであろう人数が待合いにいた。飛び込みで行かずに良かった。それでも一時間は待った。

整形外科に来ると、平均年齢は高い。どこの外科もそうだろう。リハビリのサービス、施設がある所などは、大体そうだ。どのくらい儲かっているのだろうか、とそういうことも気になってしまう。待ち時間には思索の時間がたっぷりとあるので、いろいろ考えた。

待ちくたびれたユク坊。

平均年齢が高く、車椅子の方や、杖をついた方々に囲まれると、比較的若い、スポーツで積極的に怪我をしたような私などが同じ場所にいることが申し訳なく思えてくる。積極的に、というのは、もちろん好んでということではないが、怪我しそうなことを「積極的に」やっている、という意味である。

流行っているクリニックだけあって、スタッフや先生は横柄な感じがした。儲かっていると、人間こうなるのだろう。私が横柄な態度を取ると、きっと仕事が大幅に減ってしまうだろう。頑固親父の店は私には向いていないと思うから、横柄にならないように気をつけている。生活の知恵だ。

オテしてやれば人間の機嫌が良くなる。生活の知恵だ。

レントゲンを撮っていただいた。骨には異常がなかった。靭帯はレントゲンには写らないので、靭帯損傷ということだ。時薬、つまり保存療法が試される。柔術で怪我したときは大体これだ。湿布貼って様子見てください。

膝を曲げ伸ばしすると、膝のお皿が不安定で、ゴリゴリ音がする。引っかかる感じも気持ち悪い。痛みは時薬と湿布で軽減しているように感じられるが、このゴリゴリが湿布で良くなるのだろうか。

怪我をしていても犬の枕くらいには役立つ。

ユクの左脚もゴリゴリいうことがある。あまり左脚に全体重を載せたりはしないように見受けられる。常に痛いという感じでもなさそうなので、不安定なのかも知れない。私も同じだ。不安定なのだ。

この不安定とずっと過ごしていかねばならないのだろうか、と不安になる。不安定で不安。良い事なしだ。

ユクは、脚のことでクヨクヨしたり、不平を言ったりしない。当たり前かもしれないが、これは本当に犬から学ぶところである。

学んだら、おやつくれ。

一応、ひと月後に予約を取ってからクリニックを後にした。「良くなってたら、来なくても良いですよ」と言われた。さらに「予約のキャンセル電話も要りませんから」と。

流行っているクリニックは違うぜ、と、また帰路でもいろいろ考えさせられた。