ユクと一緒に寝るようになって、三年くらいになるのだろうか。
うちへ来た当初は、眠る場所は違った。階も別だった。
一年くらい経ってから、なし崩し的に一緒に寝るようになった。
犬と眠ることは幸せに満ちている。
毎晩、変わることなく、ユクはベッドに上がれた喜びを全身で表現する。お尻を上げたプレイバウの格好で、マズルをシーツに押し付ける。その後、ヘソ天をして悶えるように身体をくねらせる。興奮のあまり、口からは時折、かはっ!かはっ!と聞こえてくる。このヘソ天のまま、電池が切れたように眠ってしまうこともある。大体は、私の脚の間に潜り込んで来て、そこで丸くなって眠り始める。やがて、息継ぎをしにくる動物のように、ぷはぁ、と這い上がってくる。
このようなお決まりの行動をうれしそうに行う。これも一応「ルーティーン」とでも呼ぶのだろうか。
何の役にも今のところ立っていないが、私は十年以上も睡眠のトラッキングをしている。本当に何の役にも立っていない。ああ、今日はよく眠れた、眠れたのか?というようなことを毎日やっているだけだ。以前は別のデバイスを使っていたが、今はApple Watchで睡眠のトラッキングをしている。起きているときもApple Watchをずっと着けているので、Apple社は私のことをよく知ってくれているはずだ。いつかそれが役に立つのではないか、と期待している。
犬と寝るようになって、途中で目覚めたり、早くに起こされたり、ということが起こるようになった。これは睡眠の評価に少なからず影響を及ぼしていると思われる。いやはや睡眠にも「評価」が付きまとうのはどうかと思うが。
出張時、大阪で一人で眠ることがある。
自宅で犬と寝ているときの評価に比べると、明らかに良いことが多い。やはり、途中で目覚めたりすることが評価をさげているのだろう。目覚めて、眼の前に犬がいて可愛いとか、毛むくじゃらがくっついていて幸せ、などの評価値はない。トータルで考えると、幸せの評価は高いように思われる。
私が自宅にいないとき、妻とユクは、ベッドを広々と使い、とても快適に寝ているそうだ。
なに?ベッドの広さの問題!?