ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

忘れた頃のコロナ。

コロナウイルスに感染した。言うまでもなく、人間の話だ。今年の二月くらいから、マスクもほとんどしなくなり、すっかりコロナのことなんて忘れかけていた。ブラジリアン柔術という人と密着する格闘技をやっていることもあり、いわゆる感染対策というものに…

フラッシュバック!蜂刺されの記憶が蘇る犬。

ユクがスズメバチに刺されたことは前に書いた。お散歩に出掛けてすぐ、家のそばで刺された。悲痛な声をあげて、しばらく情けない表情と格好をしていた。病院に連れて行く車中でも悲しい声を出していたほどだ。私はスズメバチにも普通の蜂にも刺されたことが…

面倒な手順をどこまで省略しても良いものか。

茶の湯の点前を稽古する。点前を最初から最後まで出来るようになるためには、ある程度の日数がかかる。まずは場面を切り取って稽古する。これを割稽古という。袱紗を捌いて棗を浄める。この場面だけを「割って」稽古するのだ。 やがて、薄茶を点てたり、濃茶…

犬との暮らし。心配事とともに。

ユクは家へ来たときから右脚が良くない。それは野良犬時代に骨折した古傷なのだと思われる。リードを思いっきり引っ張るときも、明らかに上半身、つまり前脚の力を主に使っていることが見て取れる。上半身だけを鍛えてしまった歪なマッチョトレーニーのよう…

蜂に刺された犬。スズメバチに尻尾を刺されたユク。

まず初めに。飼い犬が蜂に刺されてしまって、どうしようか、という状態でこのページを見ている方は、いますぐにグーグルマップを立ち上げ、近所で営業している動物病院を探し、獣医師に診てもらうことを強くお勧めします。 急げ! 三連休最後の朝。妻がユク…

まずまず大丈夫だなんて言ってすみません。

うちの家は、多くのことが「ユクファースト」となっている。犬と暮らしておられる皆さんは全員きっとそのような感じなのではないか。そうあって欲しい。相当甘やかされているにも関わらず、当たり前である、という顔をして鎮座しているユク坊。愛犬家の皆様…

暑いけど、まずまず大丈夫なユク。

梅雨明け宣言がまだ聞こえて来ない七月の半ば。暑さが本格化、というより超越化という感じのものになってきた。天気予報の地図は真っ赤を通り越して、紫色になっている。真っ赤のほうが暑そうで、紫色だと少し寒色が混ざって冷めてきた感じがする。初めに設…

コロナ、オーバーツーリズム、からの今後。

神戸、大阪、小田原、鎌倉。私の暮らしてきた地域は、いずれも観光地だ。ここ北鎌倉は、年中というわけではない。六月の紫陽花の季節のみ、線路端の道が観光客でごった返す。パンデミックも明け、これからもっと海外からの観光客が増えていくと、鎌倉の辺り…

鎌倉のあじさい寺ってどちらのお寺?寅さんの時代といま。

北鎌倉が一年で一番賑わう季節、六月が終わった。犬と一緒に来られる観光客もあるので、ユクのパトロール(クン活)も忙しかった。知らない匂いが沢山残っていたのだろう。六月は日が長い。日の入りが七時くらいなので、お寺さんが閉まる五時くらいから出て…

犬の出てくる映画。

「ハチ公物語」と「南極物語」を若い時に観た。大人も子供も泣いてしまう作品である。私もきっと涙したと思う。「犬と私の10の約束」という映画も観たことがある。これも犬が死んでしまうので悲しい。観た当時は犬と暮らしていなかった。それでも充分に悲し…

出掛ける前の身体検査。

空港での手荷物検査場が苦手だ。何度も経験することによって、少しは慣れた。それでも、ちょっと嫌だな、という感覚は変わらない。何も悪いことはしていないし、持ち込んではいけないものを所持していない。「誰かに荷物を手渡された」こともない。それでも…

レスキュードッグ!ユク坊。

レスキュードッグと言えば、駅前で犬と一緒に募金しているイメージがある。災害救助犬とはまた違うものだろうか。いや、盲導犬だったろうか。うろ覚えである。少しGoogleで検索をしてみたが、微妙に名称が違う協会がいろいろ検索結果に出てきて、くらくらし…

消費の矛先。人生の意味。

世の中すっかり変わった。いつの時代も変化を目の当たりにし、老いとともに嘆息を繰り返してきたのが人類の歴史というものだろう。その歴史を俯瞰して見ても、ここ百年ほどの進化の速度は凄まじい。インターネットが庶民にも使えるものになってから三十年く…

未来と過去にこだわりのない犬。

過去を悔やむ。未来を心配する。人間の話だ。犬は過去を悔やんだりしないし、未来の心配で心を痛めたりもしない。むしろ、それらの概念そのものがないのだろう。時間の概念すらないと言ってよい。時間がないから走る、ということはなくて、早く行きたいから…

四国は愛媛に帰省。

父の住む愛媛に帰省している。私は愛媛で生まれ育ったわけではない。だから帰省という言葉はしっくりと来ない。故郷というわけではないが、父のところに行くことを、いったい何と表現すれば良いのだろう。 みきゃん愛。 司馬遼太郎が書いていたと記憶してい…

パンツ一丁の外国人ランナー。

北鎌倉にはパンツ一丁でランニングをしている外国人男性がいらっしゃる。度々見かけるのだが、どのあたりにお住まいなのかは分からない。目撃情報は、結構耳にする。やはり北鎌倉界隈の住民にとっては有名な方なのだろう。 登り口にも下り口にもこの看板が。…

正面から見たユク。ありのまま。

なかなか自分の連れている犬を正面から見ることはない。デートでニコニコしながら歩いている自分の顔も同じだ。私は馬鹿正直な人間なので、ついつい顔に出てしまう。デートのときでもニヤニヤデレデレとした顔つきで歩いていたに違いない。今では結婚をして…

お二階に来るかい?

ユクがどれくらい私たち人間の生活ルールを守ってくれるのか、など家へ迎えた当初は知る由もなかった。そのため、少し家を空ける、つまりお留守番をしてもらうときはケージに入れるようなことをしていた。そのような期間はとても短かった。ユクが言ったこと…

世代間ギャップ。ウルトラマンゾフィーと犬のお薬。

世代による特徴めいたものが存在する。これはおそらく後天的なもので、同じ年頃に同じ社会的な出来事や状況を経験するという理由で作り上げられたものではないか。私は高度経済成長期に生まれてきて、昭和のいわゆるバブル期に学校に通っていた。ベトナムや…

小さな勝負。

大げさに言えば縁起を担ぐということなのだろう。子供の頃から繰り返しやっていることがある。救急車の音が聞こえたら親指を隠すとか、靴は決めた側から履くとか、参道で右側を歩くとか。もっとくだらないことも沢山ある。色の付いたタイルを避けて歩いてみ…

お薬を飲む犬と飲ませる飼い主。(と見守るもう一人の飼い主)

右脚の後ろに傷ができた。犬の話だ。芝生や草むらなどで、勢いよくシャッシャッシャと走る直前の馬のように地を掻く仕草をするユク坊。リードを持つこちらも立ち位置を間違えれば砂をかけられることとなるので、止めていただきたい。こちらの気持ちなど少し…

無意識過剰になりたい飼い主と猫との格闘を準備する犬。

無意識過剰になりたい。と言うくらいだから、私は自意識過剰なようだ。これは大変に疲れる。自分に自信がないとそうなるそうだ。ということは無意識過剰な人間は自信過剰でもあるということか。過剰に自信のある人も怖いだろう。と、堂々巡る。 それでも無意…

何もしない(をしている)犬と人。

私は神戸で育ったので、東京ディズニーランドは遠くにある夢の国であった。小学生の頃、同じクラスに千葉県からの転校生がやってきた。ディズニーランドの近くから来た、ということで、瞬く間にクラスで人気者となった。そのとき、クラスメイトの誰もがディ…

真剣な犬と笑いのある日々。

笑うと健康に良さそうだということは、わざわざ科学的に証明してもらわなくとも、誰しもが経験的に感じうるものであろう。眉間にしわを寄せ、キーボードをカチャカチャやっているだけの仕事をしていては、いかにも不健康である。部屋に篭ってモニターを眺め…

ユクの好きな犬。言葉を雰囲気で聞く犬。

ユクはたまにモテている。しかし、モテている相手のことを自分も好きになる確率は低い。つまり相思相愛の仲にはなかなかならないようだ。ユクは、飼い主である私たちも驚くほど、優しく挨拶ができることがある。ことがある、というよりは、そういう相手がい…

留守番中の盗み食いをしない犬とする飼い主。

私は小学生の頃、家の留守を任されることがよくあった。共働きなわけではないのだが、母親は外での活動が多く、専業主婦の家のわりに留守番をすることが多かったと思う。共働き夫婦の児童は学童保育というところへ預けられる子たちもいたが、うちは一人息子…

ユクがうちへ来て三年。

人が人と出会うことの確率を考えると、軽々しく「奇跡」などという言葉を口にしそうになる。実際にそのことを考えると、あまりに多くの偶然の重なりによる出会いに怖くなる。感動するというより怖い。 「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら」という歌…

雨の日散歩。新しい雨合羽を買ってもらった犬。

ユクは保護犬で、半年くらいの野良犬経験がある。人から食べ物をもらうことを知っていたようなので、その期間にどなたかに食事を頂戴していたのだろう。ただ、人に馴れているか、といえばまったくそのようなことはなく、警戒心がとても高い。「とても高い」…

ゴールデンウイーク!由比ヶ浜へユクとゆく。テントは移動式縄張り。

ゴールデンウイークだ。パンデミックもひと段落で良いのではないかという感じが、道行く人々の様子からもうかがえる。今年は季節の歩みが早く、暑くなるのも早いようだ。五月の初旬でももう夏日になるところも出てきている。これだけ暑いと、マスクも外しや…

犬には必要のないファッション。

二十代の半ば、英国に一ヶ月間滞在した。留学でも何でもない。会社を辞めて無職となり、自由な時間を創出して、海外に飛び出したのだった。会社は入社してからずっと辛かった。会社の人たちは、先輩も同僚もとても良い人ばかりで、仲良くさせてもらった。嫌…