ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

真剣な犬と笑いのある日々。

笑うと健康に良さそうだということは、わざわざ科学的に証明してもらわなくとも、誰しもが経験的に感じうるものであろう。眉間にしわを寄せ、キーボードをカチャカチャやっているだけの仕事をしていては、いかにも不健康である。部屋に篭ってモニターを眺めているだけの一日。ああ、今日は誰とも会わなかったな、ということもあるのが、独りで働く者の日常である。私もかつてはその働き方であった。

働き方改革

コロナのパンデミックにより、リモートワークが取り入れられた企業も多い。会社に集まって働くのではなく、家で黙々と仕事をすることを、会社員の人達も経験することとなった。人と会わなかったなぁ、笑いもしなかったなぁ、ということもあったのではなかろうか。

不健康極まりない。

まだ誰とも会っていないから帰宅拒否をするユク坊。

パンデミックの到来と時を同じくして、宮古島で保護された犬が我が家に到来した。犬と暮らすことがこんなにも面白いものだとは想像もしなかった。何でも言うことを聞くものだと思っていたが、まったくそうではない、ということも知らされた。犬は常に真剣で、その真剣さゆえに、笑いを誘ってくる。

本当に変じゃない?

フローリングの床が光っているだけなのに、水溜りがあるかのように怯えて、毎回へっぴり腰で慌てて駆け抜ける。
ふと気配を感じて振り向くと、へそを天に向けてカマキリのポーズをしている。
鼻が良すぎるので、焚き火をやっている近くを通ると豪快なくしゃみをする。
暑いくせに外に居たがり、やがてハァハァと口が開き始めるから、中には入れと促すと、何でもなかったかのように口を閉じるが、目を逸らすとまたハァハァしている。
シャンプーのあとは何故か二階の寝室まで駆け上がり、ベッドの上で暴れて、歌舞伎役者のように見栄を切る。
クン活に夢中になりすぎて、足を踏み外したり、穴に落ちそうになったりしている。
偉そうに他所の犬に吠えるかと思えば、先に吠えられると、ビビって吠え返せなくなる。

ハァハァしてるんじゃない。笑ってるだけです。

これらはほんの一例だが、毎日真剣な顔をして犬が笑わせてくれる。

おかげで私はこの三年間、毎日笑っている。