ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

まずまず大丈夫だなんて言ってすみません。

うちの家は、多くのことが「ユクファースト」となっている。犬と暮らしておられる皆さんは全員きっとそのような感じなのではないか。そうあって欲しい。
相当甘やかされているにも関わらず、当たり前である、という顔をして鎮座しているユク坊。愛犬家の皆様のお宅において溺愛されている犬様たちも同じだろうか。きっとそうだ。

君たち準備遅いね。

暑い夏の日は、ユクのことを考えて、朝早め、涼しいうちに出掛けたり、夕方は日が落ち始めてから、というふうにやっている。
だがしかし。
どうしても人間の都合でうまくいかないこともある。

夕方に予定があるとき、ユクを夜まで留守番させて、夜中ごろに散歩に出掛けることもできる。が、可哀想だ。出かける前に散歩に連れて行ってやったほうが、その後ユクもゆっくり寝てお留守番できるというものだ。散歩いつだろうか、と気を揉みながら(揉まないかもしれないが)お留守番させるのは気が引ける。

散歩と食事が終わって絶好調なユク坊。

色々考えた挙げ句。夜に人間の予定がある日の午後、午後四時半くらいから散歩に出掛けた。日の入り時刻は、午後七時くらいなので、まだまだ西日が強い時間帯である。
ユクは宮古島の出身だから、夏には強そうだ、ということは何度も書いた。
多少西日が強かろうが、どんどん突き進んでいく。やはり南国出身犬は違うぜ、と心の内でつぶやいた。

バテた。

散歩の帰り路。
ユクの足取りが重たくなった。水をやったり、おやつをやったりしながら励ましたが、口を開けて座ったままである。バテたようだ。家へ来た頃はあまり体力がなかったのか、歩いている途中で休んでしまうことも幾度はあった。が、ここ二年くらいはそんなこともなかったので、過信していた。強い子もバテる。「まずまず大丈夫だ」なんて言ってすみません。

久しぶりにユクを抱っこして歩いた。
身体が暑く火照っていた。鼓動は早く、ハァハァしていた。
とても暑苦しかったが、まんざらでもない気持ちだった。
ユクもそうだったと思う。

まんざらでもない人たち。