ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

消費の矛先。人生の意味。

世の中すっかり変わった。
いつの時代も変化を目の当たりにし、老いとともに嘆息を繰り返してきたのが人類の歴史というものだろう。その歴史を俯瞰して見ても、ここ百年ほどの進化の速度は凄まじい。インターネットが庶民にも使えるものになってから三十年くらいしか経っていない。iPhoneが日本で発売され始めたのは二〇〇八年のことだ。

セルフィーはお手のもの。

私は新しい技術をいち早く手にしたい質なので、その年にiPhoneを購入した。当時、このような板を耳に当てて電話をすることは非常に恥ずかしかったし、電車の中で出すことも憚られた。いちびっている(関西弁)と思われるのが嫌だったからだ。自意識過剰であることは承知している。ただ、そのくらいに皆にギョッとした目で見られる感覚があった。

その後十年ほどで、「ケータイ」はほぼすべて「スマホ」と呼ばれる板に置き換わった。

最新の待受け画面。くしゃみ寸前のユク坊。

インターネットとスマホの普及とともに消費のあり方も変わった。毎月に何枚も買っていたCDを一切買わなくなった。「サブスク」に変わったからだ。月々千円は、毎月三千円するCDを何枚も買っていた人間にとっては破格だ。その代わり、アルバム一枚、いや一曲の価値がとても軽くなってしまった感覚がある。フィルム写真がデジタル写真へと移り変わったときの価値の変動と似ている。

結果、欲しい物がなくなった。
欲しい物の価値も下がったのが、その原因だろう。

俺たち、今日なーんにもしてないね。

犬との日々は、何事にも代え難い。
犬はインターネットを使わないし、携帯型ゲームもスマホも持っていない。食べて走って寝るだけだ。私も犬の真似をしてみる。食べて走って寝るだけをする。非生産的で無駄な時間だろうか。無意味かもしれない。が、人生に「意味」など要るだろうか。人生に「意味」などあるだろうか。

すやすや。