父の住む愛媛に帰省している。
私は愛媛で生まれ育ったわけではない。だから帰省という言葉はしっくりと来ない。故郷というわけではないが、父のところに行くことを、いったい何と表現すれば良いのだろう。
司馬遼太郎が書いていたと記憶している。愛媛の人はのんびりしているそうだ。あくまでも体感でのことだろうが、たしかに今でも何となくそのような感じを受ける。司馬遼太郎は、こののんびりした地から、日露戦争で活躍する秋山兄弟のような人物が出たことに驚いていた(と記憶している)。
香川県民でなくとも、四国の人たちはうどんが好きだと思う。愛媛にも高知にも徳島にもうどん店が多い。鎌倉にはこんなにうどん店がない。しかも並盛りが大きい。足らなかった、とは言わせない心意気を感じる。
空港で鯛めしを食べ、父の家の近くでうどんを食べた。炭水化物を沢山食べて幸せだ。これで柔術でもできれば最高だが、このあたりに出稽古に行ける道場はなさそうだ。
この長閑な地で、ユクと散歩に出ればどのような気分だろう。田んぼの横の長い道を延々と匂いを嗅いで歩くに違いない。暑いので、バテるだろうか。宮古島出身の犬だから、これくらいの暑さではへこたれないだろうか。
妻と仲良くやっているだろうか。
わがままばかりやってないだろうか。
私が出かける準備をし始めたら、妻に八つ当たりをしていた。何故いないのか、分からないだろうな。
帰ったときに、どのようなお出迎えをしてくれるだろうか。