「ハチ公物語」と「南極物語」を若い時に観た。大人も子供も泣いてしまう作品である。私もきっと涙したと思う。「犬と私の10の約束」という映画も観たことがある。これも犬が死んでしまうので悲しい。観た当時は犬と暮らしていなかった。それでも充分に悲しい。ユクが家に来てからもう一度観てみようかとしばらく流してみたが、十個の約束を読み上げている時点でもうダメだった。続けて見ることができなかった。
「バックトゥザフューチャー」にも「アインシュタイン」という名の犬が出てきた。「フラッシュダンス」でも主人公がピットブルを連れていた。古い映画ばかりを挙げて恐縮だが、昔からアメリカでは犬の(もしくは飼い主の)権利が認められていたのだな、と分かる。日本はまだまだ追いついていない。女性の権利という話も遅れている。
犬と暮らすようになってから、犬の死ぬ映画をできる限り観たくないと思うようになった。犬が登場する映画は観たいので困ったものだ。出てくるのは良いが、死ぬのかどうかを先に知りたい。そんなことでは折角のお話もネタバレとなり、楽しめないではないか、と言われてしまいそうだ。実際そのようなこともあるかもしれない。
「フィンチ」という映画を観た。
トムハンクスが主演で、ポスターには犬とロボットが写っている。この映画はとても良かった。ネタバレをしたくないので何も言えないが、良かった、と、言っていることで察していただきたい。
それにしても、映画に出てくる犬たちは皆よく言うことを聞き、主人公のそばを従順に歩いている。演技でも、ユクにはそんなことはできないのではないか。いいさ。ユクは自由に、楽しく暮らしてもらいたい。