ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

お薬を飲む犬と飲ませる飼い主。(と見守るもう一人の飼い主)

右脚の後ろに傷ができた。犬の話だ。
芝生や草むらなどで、勢いよくシャッシャッシャと走る直前の馬のように地を掻く仕草をするユク坊。リードを持つこちらも立ち位置を間違えれば砂をかけられることとなるので、止めていただきたい。こちらの気持ちなど少しも汲み取らず、毎日のようにシャッシャッシャとやっている。

芝生が好き。

これが原因で後ろ脚に傷ができたのではないか。ユクの身体に何か傷などができても、大抵は本人が舐めて治してしまう印象がある。唾液に治癒力があるのかどうかは知らないが、清潔にはなるかもしれない。人間でも、唾つけとったら治る、と言うくらいなので、犬の世界でも浸透している治療法なのかもしれない。

大体は舐めてれば治るんだけどね。

ところが、今回の足の傷がなかなか良くならない。だから、動物病院の世話になることになった。ユクは自動車に乗るのは大好きだけれど、動物病院は大嫌いだ。車に乗ると病院に連れて行かれることが何度もあるのに車嫌いにはならない。ユクは車に乗ることそれ自体が好きなのだと思う。移動手段として考えていなくて、車に乗ることは行き先とは切り離されているのではないか。

そうはいっても行き先が動物病院ばかりだと嫌いになってしまうかもしれないので、楽しいドライブもさせてやらねばならないな。

おくるま大好き。

まずは炎症を抑える薬を飲ませて、様子を見ることになった。

動物に薬と言えば、「かわいそうなぞう」という絵本が思い出される。戦時中の動物園で殺される象のお話だ。象は、毒の入ったじゃがいもをどうしても食べない。毒入りだと分かるのだ。小学生の時に読んだ絵本だが、じゃがいもをより分けている象の絵をよく憶えている。

ごっくんしています。

食いしん坊のユクでも、多少はより分ける。他の餌とは味が違うので、おかしいな、と感じるのだろう。私は上手く飲ませることができない。ペッと吐き出されてしまう。妻はユクにお薬を飲ませるのが上手だ。ドライフードをやりながら、機を見て、薬をユクの舌の奥のほうへのせ、喉をさする。するとユクは素直に飲み込み、次のフードに目をやる。

つぎちょーだい。

私はこのお薬の時間が好きだ。
今のところ、足の傷は良くなってきている。