ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

暑いけど、まずまず大丈夫なユク。

梅雨明け宣言がまだ聞こえて来ない七月の半ば。
暑さが本格化、というより超越化という感じのものになってきた。天気予報の地図は真っ赤を通り越して、紫色になっている。真っ赤のほうが暑そうで、紫色だと少し寒色が混ざって冷めてきた感じがする。初めに設定したときに三十度を超えれば赤、ということにしてしまったのが間違いで、三十五度を超えてくる最近の気温にマッチしていないと常々思っている。マッチしていないといえば、年金制度なども不安だ。人間の寿命を六十歳そこそこで設定していたであろう現制度は、当初の想定を超えてきているに違いないからだ。個人がいくらボヤいても何の効力もないので、個人は個人で備えるしかない。

そなえあればうれしいな。(なんか違うね)

暑いとアスファルトの路面も熱くなる。
これは犬にとっては灼熱の地獄だ。ユクは比較的脚の長い方だから、少しはマシかもしれないが、犬の身体は地面に近いから、跳ね返りの熱も相当なものだろう。足の裏も熱いだろうから、なるべく日陰を歩けるコース選びもしてやらねばならない。

暑くなってきちゃったユク坊。

ユクは宮古島出身だ。だから少しは夏の暑さに強いと見える。体毛も寒さに耐えられるようなふわふわのものをまとっていない。逆に暑さには対応している見た目である。実際、暑くても散歩に出たがるし、外に居たがる。キューバを旅行したとき、道端でよく犬たちが横たわっているのを見かけた。ユクがバタッと倒れている様子を見ると、いつもそのキューバの犬たちを思い出す。あの犬たちも暑いキューバでよくやっているな。

キューバの子。

さすがのユクもこの季節は口が開く。口が開くと笑っているようにも見えるから、女子高生やカップルに「可愛い」と言われることも多くなる。確かに口を開けて跳ねるように歩いているユクを正面から見ると、阿呆そうで可愛い。

暑いところでじっとしていたら、自分もだんだんと暑くなってしまう、ということすら犬は気にしない。おそらく人間の持つような時間の概念がないからだ。朝陽のあたる窓辺で、日光浴をするのが好きなユク坊。暑くなってくる。移動してバタッと倒れ込む。同じようなことを毎日やっている。

クーラーの効いた部屋でバッタリ倒れているユクは幸せそうに見える。
暑さには強そうだけど、とても甘やかしています。