ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

無意識過剰になりたい飼い主と猫との格闘を準備する犬。

無意識過剰になりたい。
と言うくらいだから、私は自意識過剰なようだ。これは大変に疲れる。自分に自信がないとそうなるそうだ。ということは無意識過剰な人間は自信過剰でもあるということか。過剰に自信のある人も怖いだろう。と、堂々巡る。

それでも無意識過剰くらいのほうが、生きやすくはあるだろう。自信満々にくよくよしている人はいなさそうだから。

接近過剰。

「ありがとうございました!」とか「お先に失礼します!」という言葉を別れ際に申し上げる。例えば職場で先に退社するときなどだ。上司や同僚に対して、挨拶をするそのとき。特に「ありがとうございました!」などは、吃ったり噛んだりしてしまうと、本心からお礼を言っていないように取られてしまうので、淀みなくさらっと言わなければいけない、と緊張してします。つまり、自意識過剰状態だ。

結果、「ありりり、がろう。ありがとうごごご、ごぜ、ございました」と言い淀んで恥ずかしい思いをすることになる。

こんなことになるのなら、自信過剰だと言われようが、無意識過剰になりたいものだ。

無意識過剰ってこんなの?(ちがうだろうね)

近くのお寺の参道をユクを連れて散歩する。日々、ユクはパトロールを欠かさない。パトロールは誰にも頼まれたものではないので、自主的にやっている。見知らぬハイキング客を見かけると、じっとにらみを利かせている。良い迷惑である。見知らぬ犬であった場合は余計に面倒だ。唸ったり吠えたりしてしまうからだ。まったく自意識過剰である。

こんなことをしてたまに猫パンチを食らうユク坊。

頼まれもしないパトロールで、明らかに猫の匂いを追いかけているな、と分かるときがある。人間は遠くの猫を確認するが、足元の匂いばかりに集中しているユクには遠くの猫の存在を知る由もない。それでも、なぜか猫の匂いに反応していると見えて、息も荒く、時折駆け出すこともある。

まったく自意識過剰である。
私も傍から見れば、この程度のことをやっているに過ぎないのであろう。