ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

そのバイク、整備してくださいな。

ユクは大変、鼻が良い。
格好が良いという意味ではなく、鼻が利くということだ。ユクが、と申し上げたが、犬は基本的に人間より鼻が利く。妻がヤギミルクや干し芋の準備をし始めればキッチンの前に現れて、お利口そうに座り、笑みを見せる。広角が上がって、微笑んでいるように見えるのだ。ずるい。

利口そうに座るユク坊。(お誕生日会の一コマ)

このオスワリと微笑みのセットで人間は簡単に動かせる。
散歩の準備のときだってそうだ。特に冬になり、朝一番のお散歩の際にはぐずぐずしている。こういうところは人間とそっくりだ。寒いと温かいところから出たくないのだろう。しかし、こちらがお散歩中にやるおやつを準備し終わり、ポケットにそれを入れたことを確認した途端、首輪を付け替えて準備してくれ、と言わんばかりに、お利口そうに座り、微笑む。おかげさまで、お散歩におやつを忘れることはない。

おやつ持ってきてるよね?

外に出かけると、ユクのお楽しみ、「クン活」が始まる。犬同士、情報交換をしているらしい。入念にチェックしすぎるので、もう良いのではないか、とユクに話しかけてばかりだ。通り過ぎようとしたのに、鼻が良いからか、少し逆戻りをして嗅ぎに行くこともある。突然向きを変えるので、危ない。これは何とかやめさせたいと思っている。

道のりは長い……

鼻が良いことにはデメリットもある。くしゃみが出やすい。
特にお散歩中、調子の悪そうな自動車やバイクが過ぎた後を歩いていると、その排気ガスが鼻腔を刺激し、くしゃみが出てしまう。人間も出そうになるくらいだから、ユクは十割の確率でくしゃみをする。黒煙を巻き上げながら、燃費の悪そうな音をたて、通り過ぎていくバイクを見たら、くしゃみでちゃうね、とユクに話しかける。

ぶしゅん!
やっぱり。