ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

山はじめました。

振り返ってみると色々あったなぁ、となるものだが、ふと、過ぎてゆく時間は早いと感じる。いよいよ十一月である。一日の気温の幅が大きく油断ならないが、朝夕の犬の散歩には適温と感じられることが多くなった。気をつけなければならないのは、釣瓶落としと呼ばれる、日の暮れる速度だろう。少し他の飼い主さんと立ち話をしていただけで、辺りが真暗になってしまう。

若いときはいろいろあったなぁ。(君はまだ三歳)

夏は山道のコースを選ばない。
犬にマダニが付きやすいし、蚊にもまとわりつかれる。草が生い茂っているので、蛇が現れることもあるだろう。そういった理由で、夏にはあまり山に近づかない。

葉が黄色や紅色に色づき始めた十一月ともなれば、そろそろ山道コースを歩いても良いのではないか、という気分になってくる。行くか。

はやく行こうぜ。

F1のモナコレースを意識し、「市街地コース」と呼んでいる散歩コースが、冬の定番だ。そのコースの途中で山に向かう坂道がある。市街地コースを進もうとしているユクにリードで合図する。山行くぞ。知らない道ではない、ユクもすんなりと従い、マズルの向きを変えた。久方の山道に歩が緩む。

やま行こうぜ!

「市街地コース」では、私の歩みは速い。他の犬の飼い主さん達に、ユク君は足が速いから追いつかないね〜、とよく言われるが。実はリードを持つ私が速いのである。なぜ早歩きをするのかというと、犬に余計なマーキング行為をさせないためである。思う存分、匂いを嗅ぎ、マーキング行為をさせてやりたいが、人様の家の前ではマナーとしていけないと思う。故に寄り道をせず、なるべくスタスタと先を急いで散歩をしている。

山に入ると、歩が緩むのは、そういった理由からだ。山なら多少マーキング行為をしても、あまり迷惑はかからないだろう。

ユクは辺りをゆっくりと嗅ぎ周り、山の散歩を満喫していた。

クン活集中の構え。