ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

三歳が一番可愛い?永遠の三歳児

三歳児。人間の子供の話だ。
世間ではこのように言われているらしい。二歳児はまだ分別がなく、何でも触ったり、口に入れたりするので、親は大変だ。それが三歳になると少し言うことを聞くようになり、ルールを守れるようになってくる。親の側にも少し余裕ができるのだろう。大変さより可愛いさが際立つ期間なのだと考えられる。

三歳オス犬。

私には歳の離れた従兄弟がいる。幼い頃からよく私の実家へ遊びに来ていた。
私が大学生になった頃、私は実家住まいで、彼は二歳児だった。夜勤のアルバイトから帰って朝方寝床に就いたばかりの私の腹の上で飛び跳ねるというとんでもない起こし方を、笑いながら行った。
それはそれで可愛いのだが、本気で、止めるように諭し、私の両親にも寝ているときは部屋に入ってこさせないように、とお願いした。

起こさないでください。

それが三歳になると、粗野な起こし方をしなくなった。扉の向こうで、「兄ちゃん起こしていいかな?」と小声で私の親に確認している声が聞こえてきた。とてつもなく可愛い。そのような声が聞こえてきたなら、少々眠たくても起きて遊んでやろうか、という気持ちになってしまう。この少し言うことを聞いてくれるようになってきた頃が可愛いので、三歳の頃がもっとも可愛い、と言われるのだろう。

犬が可愛いのもこれだ。
やんちゃでいたずら好きだけど、少し(訓練によってはもっと……)言うことを聞いてくれる。そして、絶対にダメなことは、きちんと守る。犬も最初のうちは何でもかじったりしてしまうが、やってはいけないよ、ということを教えると守るようになる。成長と学習だ。

目は口ほどに物を言う。

ただし、犬の成長は人間とは異なる。言葉を話すようにはならないし、人間のように論理的に考える能力はそこまで高くはならない。「少し言うことを聞いてくれる状態」が最大だ。つまり、人間で言うところの三歳児のような状態で止まるのだ。

ユクは実際に三歳なので、これからどうなっていくのかは、まだ未体験である。もっと大人になるのか、子供のままなのか、お爺さんのようになるのか。はてさて。

永遠の三歳児でも良いぞ、ユク坊。

いいんだな!