ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

成功体験。

何かに成功した、ということを積み重ねることによって、成長が期待される。人間の話だ。

上手く行ったり褒められたりすると、自信がつく。自信すなわち自己肯定感というものだろうか、それが高められることによって、次の行動も上手く行くようになる好循環を生み出すのだ。

失敗は失敗のもと。

理屈では分かっていても、失敗や嘲笑の目は怖い。怖いから萎縮したり、回避したりする。悪循環だ。人間は、他人の目を気にする性質を持つ者が多く、人生の生き辛さはそこに起因ものと思われる。反面、その性質のおかげで、ここまで進化したとも言える。

未来への道。

犬はどうだろう。
キッチンの前でお利口にオスワリをしてみせる。お利口だね、と言ってついついおやつどきでもないのにおやつをやってしまう。オテやオカワリ、ぐるっと回ってみたり、ユクの作戦はいつも数撃ちゃ当たるである。これもまた面白いのでおやつをやってしまう。ユクにとっては、見事な成功体験の積み重ねだ。しかし、これを成長と言うのだろうか。

前にここでもらえなかったっけ?

もう一つ、大きく人間と違うところがある。それは、他人の目を全く気にしていないところである。間違ったら恥ずかしい、という感覚がない。おやつをもらったときに行っていたことを一通り、当たるまでやる。当たるまで、というより、人間が根負けしておやつを差し出すまで、続けられる。

人間の考える成功体験とは、また違うもののようだ。

可愛そうなオレ(同情を買う作戦に出ているユク坊)