ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

好好洞で雨宿り。

毎日犬を散歩に連れて行かねばならない。
朝夕の二回だ。ユクが部屋の中で用を足せないからである。
さっと外に出て、さっと用を足して、家に帰ってくる、というようなことでもできればまだ良いのだが、それもできない。土砂降りだろうが、横殴りの雨だろうが、雪が積もろうが、いくらかは歩く。家の近所で、さっと、では済まない。

雪の浄智寺

そういうわけで、天気予報をとても気にするようになった。最近では、お天気アプリをスマートフォンに入れることができ、とても簡単に天気予報にアクセスすることができるようになった。大変世話になっている。頻繁に更新されるので、助かる反面、数時間前までは大丈夫だってなっていたのに、雨ではないか!ということもよくある。頻繁にある更新を頻繁に確認しなくてはならないのだ。

雨降りなら行きません。

今朝チェックしたところ、夕方から雨の予報と出ていた。
いつもより早めに散歩に出掛けて、雨に降られる前に帰宅しよう、と心づもりをした。午後三時。少し早いがヤギミルクを飲ませたりしていると、ユクもその気になってきたようだったので、お散歩行こうか、と問いかけると、喜んで首輪を替えてくれ、と足元までやって来た。

空はどんよりしているが、何とか天気は持つのだろう。
北鎌倉駅を過ぎ、好好洞というトンネルに差し掛かったその時、葉に当たる雨音が聞こえてきた。あれ、夕方から降るのではないのか。スマートフォンを取り出し、天気予報を確認する。さらに便利なことに雨雲レーダーというメニューから、雨雲の様子を地図上で確認することができるのだ。

どうしてくれるん?

確かに私たちの頭上に雨雲がある。私のミスだ。朝確認したまま、出かける前の確認を怠った。トンネルの中で立ち尽くす私をユクが見上げる。「どうしてくれるん?この雨」と訴えかけているように感じる。すまない。

しかし、良いニュースもある。「15分で止みます」とそこには表示してあったのだ。ならば、しばしここで雨宿りをしようぞ、ユク坊。雨宿りのときのユクはとても従順だ。ユクは雨に濡れることが大嫌いだからだ。

好好洞の前で。

ここの先に「好好亭」という中華料理店がその昔あったらしい。行ってみたかったな。どれくらい昔の話なのだろう。このトンネルをくぐってお店に向かうなんて、粋ではないか。

ユクがリードを引き始めた。小雨になったようだ。
ユクはいつも小雨で歩き始める。