ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

お見送り犬。犬の演技力。

ユクは寒いのが苦手な犬だ。
朝、家族を起こし、リビングに集合させる。そのくせ、自分は犬用ベッドで丸くなり、二度寝を始める。散歩に行きたくて起こしたわけではないらしい。てっきり漏れそうだから、早く準備して散歩に連れて行ってくれ、と訴えているものだと考えていたが、そうではないようだ。寝ている。

がっつり二度寝するユク坊。

散歩に行こう!と明るく誘っても、犬は丸くなったまま、上目遣いでこちらを見ている。お散歩の準備が整ったらもらえるおやつを準備すると、ようやく重い腰を上げてブルブルブルと身体を振り、ストレッチを始める。

行ってきたら?

「ただいまぁ!」とこちらが帰ってきたときもそうだ。
丸くなった犬は、知らん顔をしている。テレビに出てくる犬や猫は、飼い主の足音を聞いただけで、ワクワクして玄関まで走り、飛び跳ねてお出迎えをしているではないか。分離不安がない分、お留守番をさせやすいというところは良いが、いささか拍子抜けすることは否めない。

お出かけの際も丸くなったまま、どうせぼくは置いていかれるんでしょ?という感じで、知らん顔をしている。これは演技なのだろうか。とても出掛けにくい。演技だとしたらなかなかの演技力だ。

あきらめのポーズ。

妻に聞いた。
ユクは、あなたのお出掛けには興味ないですよ、と丸くなっていても、玄関を出て、窓の方を見やると、ちゃっかり窓際に来て見送っているのだそうだ。なんだ、可愛い奴め。ということはやはり、あれは演技。

見送っているわけではないけどな!

試しに玄関を出て、振り向いてみた。
窓際にいるユクと目が合った。犬はきまりが悪そうだった。