ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

ギャン吠えを止めさせるおまじない。

制御不能なほど、吠えることがある。一応、犬の話だ。

俺か?

ギャンギャン吠えるから、「ギャン吠え」と呼んで(呼ばれて?)いる。
犬がこうなってしまったとき、飼い主としては、困ってしまう。まったく犬のしつけができていない駄目な飼い主という世間の目が突き刺さる。どういうときにギャン吠え状態になるかと言えば、見知らぬ犬に出会ったときや、大変仲の悪い犬と遭遇した際に起こる。

ややご機嫌斜めの緊張感あふるる顔。

ユクはリードに繋がれているので、自分が駆けていったり、吠えたりしても相手に物理的にはたどり着かないことを分かった上で吠えているような気がしている。そうだとすると、リードで繋がれていることが、行為を助長していることになる。何とも苦い話だ。

極端に相手の犬の飼い主さんが、犬との接触を避けた場合、また、相手の犬が好戦的な場合、この条件で、ユクのギャン吠えが始まってしまうように見える。交われない相手に対して、強く出ているのだろうか。

お利口さんだね。

妻が「お利口さんのおまじない」というものを発案した。向こうに見知らぬ犬が見え、ユクがまだその存在に気づいていない段階から、ユクを撫でながら、お利口さんだね、と繰り返し唱えるのだ。なんとこれが功を奏することがある。その瞬間を目の当たりにした。おまじないを聞いて、文字通り牙を剥きそうになっていたユクの口元は少しずつ、いつもの微笑みの口に戻っていった。おまじないが効いたのだ。

残念ながら、おまじないの有効率は完全ではない。それでも毎回試してみる価値はある。

もっと残念なことに、私はこれに成功したことがない。

ないんかい!