ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

鼻ツン。犬ってやつは。

ユクが人間に対して何かをアピールする際、まずもって吠えることはない。吠えるのは、気の合わない犬や家に近づいてきた見知らぬ人(配達員含む。すみません)に対してである。ではどのような手段でメッセージを伝えようとするのか。私たちが椅子に座っていると、横までやってきて両の後ろ脚で立ち上がり、両前脚で「おい」とやる。「遊んでくれ」なのか「飯をくれ」なのか、はよく分からない。「ひまです」なのかもしれない。

いつまでパソコンやってるの?

わざとフローリングで足踏みをして、爪と木が立てる音で、存在をアピールすることもある。ユクの食事を準備しているときなどに、待ち切れず、「ぼくはここにおりますよ。オスワリをして良い子にしています」とこちらに告げているように思う。
午後の散歩の時刻が近づいてくると、ブルブルと体をふるわせて音を立てることもある。

ちょっと手が当たっちゃっただけです。

ヨガの犬のポーズのように、犬は伸びをする。(だから犬のポーズと言うのだが)そのとき、ユクの前脚の指先がちょうど私の足に当たることがある。よくある。これは、「ぼくは伸びをしているだけだけどたまたま当たってしまいました」という風にしているものと思われる。あからさまに「ひまです!」としないパターンである。たしかにこちらのほうが、人間の心をキュンとさせる。なぜこのような方法を取ることを犬はできるのだろう。

引っ張りっこ大好き!(それ妻の靴下では?)

もっとも可愛いのは、鼻ツンである。
こちらが立っていたり座っていたりするとき、太ももやお尻のほうを触られた感じがするので、そちらに目をやると、ユクがオスワリをして、上目遣いでこちらを見ているのだ。無論、何を置いてでも、「鼻ツンしたね〜」と言ってユクを撫でてやる。おやつの一つでも棚から出してやる。ホットヤギミルクをこしらえてやる。陽だまりに一緒に座ってぬくぬくしてやる。引っ張りっこ遊びに付き合ってやる。

犬ってやつは。