ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

トップの座を狙う犬。

ユクはリーダー気質を持った犬だと思う。
犬を何頭も飼ったことがないので、比較した上での結論ではない。ただ、そう感じる、程度のことだ。
臆病なところも多く見受けられるので、実際にはリーダーという柄でもないような気もする。保護されたのは一匹でいたときっぽいし、集団行動にうまく溶け込めなかったのかも知れない。

群れるのは性に合わないんだよね。

リーダーシップを感じるのは散歩のときだ。飼い主である私たちよりも前を歩きたがる。本当は、後ろ、もしくは横を速度を合わせるように歩かせる訓練をしなければならないのだろう。随分私なりに頑張ったが、諦めてしまった。したがって、散歩のとき、ユクは基本前を歩いている。

下りだろうが何だろうがお構いなしのユク坊。

山の中に入ると、ユクは絶対に前を歩きたいようだ。やはりここもリーダーシップを発揮しているということなのだろう。クンクンしているから追い越すと、早足で抜き返してくる。「何の戦いやねん」と、思わず関西弁も出る場面だ。

絶対に負けられない戦いがある。

基本的に前を歩かせていても、自動車、自転車、歩行者と接近した折には、犬を制御しなくてはならない、そこは絶対的な主従関係を示すところである。ユクもそこは認識しているようで、素直に従う。

素直で利口そうに見えるときのユク坊。

私が膝を怪我して十日ほど経つ。
歩みの遅い私のペースに合わせるように、ユクのリード越しに伝える。怪訝な顔で私の方を見るユク。ちょっと引っ張ってみたり、私の脚にぶつかったりしてくる。これはひょっとして、弱っている私の状態を確認しているのではないか。

おぬし、トップの座を狙っているのか。

足痛そうだね。