ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

人の気を引く技が多彩になってきた犬。

ヘソ天は絶対、というルールが我が家にはある。
犬がヘソ天をしたら、すべてを留め置いて必ずお腹をさすってやる、というルールだ。
このルールは九割以上の確率で守られている。まれにオンラインミーティング中にヘソ天が始まってしまい、ヘソ天のまま放置されてしまった悲しい犬になってしまうこともある。

仕事場でのヘソ天

必ず側まで行ってやることを繰り返していると、犬のほうもこれをやれば人間がかまってくれる、ということを学習しているだろう。つまり、ユクがヘソ天をしたら、人間に来て欲しいという意志の現れなのだ、と考えて良い。

なでたいやろー?

ユクがヘソ天をするタイミングは様々ある。
仕事机の横で丸くなって寝ていると思いきや、突然ヘソ天にチェンジ。人間がお風呂から上がってきて、リビングに行ってみるとヘソ天で待ち受ける犬を発見。外出から帰ってきたときも、ヘソ天でお出迎え。夜、寝床に入ったとき、うれしさのあまり、ヘソ天のまま身体をくねらせて歓喜のダンス。

ご満悦。

犬が腹を見せるのは、服従のときだ、と思っていたが、ユクと暮らし始めてから、それだけではない、ということを知った。むしろ服従を示すために腹を見せる局面のほうが少ないように思われる。

哀愁の漂うばったり。

その他に、我が家で「ばったり倒れ屋さん」と呼ばれているユクの技(?)がある。「ばったり倒れ屋さん」とは、ロシアのアニメーション「チェブラーシカ」で出てきた言葉だ。「チェブラーシカ」とはロシア語で「ばったり倒れ屋さん」という意味だ、映画の中で言っていた。辞書を引いていないので、本当かどうかは知らない。

ユクがドサッと音を立てて「ばったり倒れ屋さん」をしたとき、私たち人間は、「えーっユクどうしたのー?」と大げさに驚いてやり、かまってやる。きっとそれを学習してしまったのだろう、ここ数ヶ月で倒れる頻度が上がった。

もう一つ、「つまんないポーズ」と呼んでいる形がある。
どうしてここまで、自分が可哀想な犬である、ということを表現できるものか。人間がどう感じるかまでお見通しのようでもある。

つまらんのぅ。

犬はこのようにして人間の気を引き、人間とともに暮らしてきたのだなぁ。
と突然主語を大きくして人類と犬の歴史に思いを馳せるのであった。

このような状態で発見されることもある。