ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

この笑顔のために。由比ヶ浜までの散歩。

暑い。だから少し遅めに散歩に出る。
今日は休日なので、妻と私とユクと、家族全員での散歩だ。
心に決めていたかのように、ユクが鎌倉方面を向いて歩き始めた。北鎌倉駅に向かう道は西陽もすごいし、まあいいか。亀ヶ谷坂をぐんぐん登っていく。急いでいるわけではなく要所々々でクン活も欠かさず行っている。

ぐんぐん。

鎌倉駅辺りにやってくると、ここから折り返して帰るルートもあることをユクは知っているので、なるべく折り返しにくい道を選ぼうとする。
どうする?遅いけど。行きたそうだし、海水浴の時間も終わっているし、砂浜に連れて行ってやろうか。と、夫婦で話し合いが行われて、ユクは砂浜に連れて行ってもらえることになった。当然のことながら、ユクはそのような打ち合わせにおける決定の何たるかがわからない。なおも折り返されないように頑張ったままだ。オレは海に行く、と全身で表現している。

街のほっとステーションでおやつをもらうユク坊。

あともう少しで砂浜だ、というところのローソンに立ち寄った。ここでいつもユクにおやつを買ってやることにしている。ここまで来ても、まだ折り返されないように頑張るユク。前のめりで海の方へ向かう。さすがにここまで来て折り返すことはないよ、ユク坊。

海はもうそこ。ミスター前のめり。

海開きされた由比ヶ浜は、海の家が建ち並んで、少し浮かれた雰囲気だ。私はこの雰囲気が苦手なので、夏の砂浜には近寄らないようにしてきた。鎌倉に越してきてからも、海の家がある状態の砂浜へやってくるのは二回目くらいか。

夕日を浴びて満足げ。

ユクは海の家があろうがなかろうが、関係なく、すぐに腰をおろした。
満足と顔に書いてある。とても楽しそうにしている。息が上がっているから笑顔に見えているだけではない。それ以上に喜びが顔から溢れ出している。間違いない。

そう、この笑顔を見るため、海まで歩いてくるのだ。