ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

もったいないから食べなさい。多様性を求む世に。

犬と暮らしていると、気付かされることが多い。
特に、人間には当たり前のことが、犬にとってはそうでない、ということを改めて認識するようなことだ。

当たり前ってなに?(そ、そこからか!)

人間が他の動物と決定的に違うのは、抽象化する能力だろう。文明文化が発達してきたのは、抽象化する能力、あるいは言語によるところだ。また時間の概念を手に入れて、時間の「流れ」を「見る」ことができるようにもした。だから時計のことをWatchというのだろう。

犬の時間感覚は、自然というか地球というか宇宙のリズムに基づいているように思う。単純に太陽の高さだけで行動を極めているようにも見えない。
いい感じの瞬間に散歩に誘うし、寝ようと誘う
。宇宙のリズムに合わせた犬に時間管理をしてもらえば、人間も宇宙のリズムで生活することになる。素晴らしい。

宇宙と一体。

言葉で説明できないので、共有できない概念も多い。もったいない、もそのうちの一つ。
日本語にしかない言葉だとか何とか言っているくらいだから、人間でも理解することが難しい概念なのだろう。日本で生まれ育った私には普通に理解できる言葉だ。これを日本語でお読みの方もよく理解されていることだろう。

ユクが食べ物をより好みするようになった。食べたくないものを差し出されたら、そっぽを向く。あるいは一旦咥えてから吐き出す。
「もったいないから食べなさい!」と私が叱ると、ユクは申しわけ無さそうな表情になる。表情が変わるだけで、食べるわけではない。「もったいないから」の意味が分からないので、なぜ𠮟られているのか、が理解できていないのだ。

この人なんだかすぐ機嫌悪くなるんだよね。

玄関で叱ったものだから、ユクは玄関で私がおやつをあげても、食べなくなってしまった。𠮟られたことが場所に紐付いてしまったようだ。

その後が大変だ。
玄関でおやつを申しわけ無さそうに食べるユクを、べた褒めする私。とっても機嫌良くユクにおやつを差し出している。それでも紐付いてしまったものは大きいようだ。

ダイバーシティってむつかしいのだ。

仲良くやろうぜ。