ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

またまたワガママを通した犬。

ユクは私と散歩に行くときと妻と散歩に行くときとでは、その振る舞いが違う。これは近所の飼い主さんからもよく聞く話である。順序を付けているというような説も聞かれるが、順序というより、それぞれの関係性なのではないだろうか。

なんかオメーこわいのよ。

ユクは、私の命令はまあまあ聞く方だが、信頼してくれているというより、こいつはいつ怒り出すかわからないから言うことを聞いておこう、くらいの感じに思える。私の修行が足りない。言葉で諭すことができない分、叱るときの意思疎通が難しい。
強めに命令しても言うことを聞かないときなど、そもそも何でこの叱られているような状態になってしまったのか、忘れてしまっている風でもある。

はて。なんでこうなってるんだっけ?

 

ケージに逃げ込んで出て来ないユクに、語気を強めて出てきなさい、と何度も言う。しばらく時間が経つと、どうしてこのような状況に私なちは居るのだろう、という気分になってくる。人間がそうなのだから、犬もきっとそうだ。
ただ、飼い主が「なぜか」怒っている状態でしかない。

よっしゃ!今日は海まで行くぜ!

その点、妻はユクに甘い。
ユクもそれが分かっているので付け込んでいる。妻と散歩しているときは、ある程度ユクの我儘が通る。

鎌倉まで来た。
鎌倉まで来たら、ユクは必ず由比ヶ浜に行きたい。妻がリードを持っているとき、ユクの我儘は強くなる。嫌だ、そっちじゃない、浜の方に行きたい、と全身を使って意思表示する。

帰りかけたのに、海へ踵を返すのはこのあと。

由比ヶ浜に連れて行ってあげる」
妻が折れた。
私は夜に用事があるので鎌倉から電車で帰ってきた。

とてもうれしそうなユクの写真が届いた。
良かったな、ユク坊。