ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

春の六国見山へ。トム君とユクとゆく。

ユクと同じ宮古島で保護された犬、トム君。つまり同郷の犬だ。彼も保護された後、神奈川県で縁を見つけて幸せに暮らしている。そのご家族がトム君を連れて、北鎌倉まで遊びに来てくださった。最初の出会いは昨年で、初夏に由比ヶ浜で待ち合わせをした。あれから約一年ぶりの再会である。初めてお会いしたときから長い仲であるかのようにリラックスした気持ちでお付き合いができるご夫婦で、ともに過ごす時間が心地よい。

トム君とユク坊。六国見山に見参!

今回は北鎌倉駅で待ち合わせた。
トム君とユクは、ワンプロをして遊ぶ感じの仲ではない。何となくクールな関係だ。前に会っているけど、今回は北鎌倉なので、ユクが要らぬ地元風を吹かしやしないか、心配である。

笑顔のトム君。

トム君は優しく近付いてきてくれた。慎重な性格で穏やかな犬だ。
ユクが妻に連れられて、私の後ろからトム君に近付く。やはり一瞬唸った。関西弁に「かましをいれる」という言葉があるが、まさにそれだ。弱い犬が虚勢を張るために取る行動と言えよう。人間同士が仲良く話し始めたので、犬も安心したのか、「かまし」はその後見られなかった。

同じところが気になるふたり。

北鎌倉まではるばる来ていただいたので、あまり観光客に知られていないお散歩コースをご案内したかった。考えていたコースをいくつかお伝えして、相談。最終的には明月の切通を抜け、そこから六国見山へ登る、ハイキングと言うよりは、山道散歩と呼べそうなコースに決定した。

ユクは散歩が単純に嬉しいときや新しい道や自然の中に入っていくときに、ぐいぐいとリードを引いて歩く。引っ張りぐせと称されるものだ。いけないこととされているが、残念ながら矯正はほぼあきらめている。

これはトム君も同じようだった。
トム君とユクが、我先にとお互いの飼い主を引っ張るさまを微笑ましく眺めた。

前のめりなオレたち。

山道コースは大正解だった。二頭は目つきに野性を宿し、においを嗅ぐことを楽しんでいた。トム君が嗅いでいるところへ、ユクが割り込んで頭を突っ込む。そこにはどんな匂いがあるのかと、好奇心を抑えられないようだ。

高台に出て、人間たちがその景色を楽しんだあとは、住宅街を下り、北鎌倉駅まで歩いて戻った。

カフェでお利口にしているトム君。

北鎌倉駅に着いた頃には丁度お昼。
犬連れOKのカフェに行き、とても美味しいランチプレートを食した。
トム君は少し疲れたのか、飼い主さんの足下で大人しくしていた。時折うとうとしていた。お利口だ。
ユクは、隣の席の老犬を連れたご夫婦の方に向いてオスワリをし続けていた。

おこぼれもらえませんかねぇ。(恥ずかしいからやめて)

子犬のときに保護されたトム君としばらく野良犬として活動をしていたユクの違いはここなのか。

すみません。大目に見てやってください。

ランチプレート(人間用)