ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧

未来世紀過ぎる。

二〇二五年も終わろうとしている。気がつけば、年が明ければ二〇二六年だ。「二〇二六」という数字の響きは、どうにも漫画じみている。ドラえもんの未来都市、バック・トゥ・ザ・フューチャーの空飛ぶスケボー。ああいうものを、私はずっと「未来」と定めて…

冬を急ぐ風と、遅れてきた紅葉。

今年の長い猛暑と、突然訪れた冷え込みのせいで、秋という季節はすっ飛ばされてしまったのではないかと思っていた。だが、ここに来て北鎌倉の紅葉は見事に色づき、むしろ一気に凝縮された濃厚な秋を楽しませてくれている。 浄智寺の銀杏とユク坊。 円覚寺の…

変わる味、変わらない道。

大阪出張の折、気に入っているピザ専門店に足を運ぶ。毎年毎年この店を訪れ、毎年毎年、チーズがたっぷりのったピザを食べる。今年も六種のチーズがのった贅沢なピザを選んだ。ところが――口に入れた瞬間、何かが違う。いや、味そのものは変わっていないのか…

山の静かな時間を、ユクとゆく。

山を歩くのが好きだ。多分、犬も飼い主もそうだ。平日の山は人影が少なく、もちろん車も通らない。静けさの中で、自分たちだけが小さな小さな生き物として、道の上に存在しているような気持ちになる。ユクはといえば、あっちへクンクン、こっちへクンクンと…

ヤギミルクを切らした数日の話。

朝、ユクにホットヤギミルクを作ってやる。犬になるべく水を飲ませたいのだが、ただ「水を飲め」と言っても飲まない。だからある意味それは、少しでも色や味がついていれば飲むだろうという、人間の魂胆が詰まった飲み物なのだ。ユクはこのヤギミルクが好き…

スーツケースよりユク。

相変わらず、毎週出張の日々である。大学で学生たちに向かって熱く(るしく?)語りかけている。毎年、せっかくの縁であるからと思い、他人様の子ではあるが、本当に幸せな人生を送ってもらいたいと願って対峙している。もちろん、単位だけが目当ての者も多…

野良にも衣装。

ユクは保護された犬である。どのような状態で保護されたのか、くわしいことは分からない。ただ、お母さん犬と一緒に、あるいは兄弟たちと一緒に、というわけではなかったらしい。一匹で歩いていたのだろうか。群れからはぐれて迷子になっていたのだろうか。…

待つ犬の姿。

じっと待っている。一応、犬の話だ。 これはおやつ待ち。 朝、トーストなどを食べていると、食べ終わりそうな頃を見計らって、ユクが膝もとにやって来てお座りをする。視線は人間の手に注がれ、あるいはその先――机の上に置かれる、こんがりとバターが溶けた…

変わる街と変わらない山。

年に数ヶ月間、大阪出張が毎週ある。十年以上大阪に住んでいたので、決して知らない土地ではない。それでも、ここ数年はまるで別の街になってしまったと感じる。なじみの店が次々と姿を消し、その跡地にはドラッグストアが新しくできる。外国からの旅行客が…

野良犬の散歩は、においの地図を歩く。

犬と散歩に出かける。ユクの目は真剣そのものだ。あらゆる場所の匂いをかぎ、キョロキョロしながら、時に立ち止まり、後ろを振り返っては、何かを調べているような面持ちで歩く。それが毎日のことなのに、まるで生死をかけた一大事のようだ。そんなに懸命で…