ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

2026-01-01から1年間の記事一覧

心のフィルムと、大町の迷路。

犬の行きたいところへ連れて行ってやれなくて罪悪感を持ったことは、前に書いた。二階堂方面ではなく、鶴岡八幡宮の方へ毎日行こうとするので、海にでも行きたいのだろう。しかし、海に行くとなると二時間はかかる。平日にそれは無理なので、週末に行きたい…

相手あってこその茶と散歩。

大阪に来た。今回は、ずっとお休みをしていたお茶のお稽古が主な目的である。本当は月に三回あるのだが、毎週大阪に来るわけにもいかないので、来られる時にはなるべく沢山のクラスに出ることにしている。先生もそれを許してくれているので、甘えさせていた…

都合を押し通す責任、後ろめたさの三日間。

そう。人間には都合があり、犬はそれに合わせなければならない。主従関係が明確であり、本当に幼い子どもとその親の関係のようなものだ。全責任は主の方にある。その代わりに従の側は、主の言うことには完全に従わなければならない。つまり、主の都合に合わ…

下を見る犬と、スマホを見る人々。

引っ越してきてから、まだ散歩のコースが定まっていないことは前に書いた。散歩コースがない、という意味ではない。むしろその逆でありすぎるほどだ。仕事に戻らなくてはならないという制約もあり、時間的なことも悩みの種だ。三時間でも四時間でも散歩して…

「並」の幸せ、ハレの散歩。

定番というものがある。標準というかスタンダードというか、そういうものの話だ。私は吉野家の牛丼が好きだ。チェーンには様々あり、各店で少しずつ味が違う。チーズを載せたりラー油をかけたり、バリエーションも店によって様々だ。それらはそれぞれに美味…

茶道のサブスク、瑞泉寺のデジャヴ。

茶道の稽古をしていてよく感じることは、一年も経てば人間は大体忘れているものよなぁ、ということだ。季節の道具やお菓子が出てきて、「ああ、また春か」などとなる。道具や設えの変化によって、お点前の作法も変わる。一年前の稽古のことなどすっかり忘れ…

無粋を避ける代償と、ユクの完璧なオスワリ。

新しい家に住み始めた。照明のスイッチなどもシンプルで気に入っている。ただし、スイッチに「玄関」「廊下」「洗面」など、どこの照明が点くのかといった説明書きはない。そんなものが記載されていては無粋だ。だからスイッチたちは名無しで佇んでいる。人…

二階から降り注ぐ「飯はまだか」の圧。

二階と一階が逆転した。引っ越しする前の家は一階がリビングだった。「居間」と言うだけあって、多くの時間をそこで過ごした。テレビもダイニングテーブルもキッチンも、全て一階にあった。二階にあったのは寝室と私の部屋と妻の部屋。この三つだった。 円覚…

本来無一物、六年の重さ。

ユクの順応力の高さについては前に書いた。受け入れる力が見事なのだ。 引越しをユクは何度も経験している。ただし、それは大変短い期間の話で、宮古島で保護されて数週間施設に預かってもらい、その後、飛行機に乗って、千葉の預かりボランティアさんの家で…

覚園寺への道と、ユクの野心。

以前、覚園寺で「戌神様」のお守りを買って、今も財布に入れている。その、犬にフレンドリーなお寺である覚園寺は二階堂にある。二階堂というエリアは、北鎌倉からだと少し距離があり、毎日の散歩コースにするには少し無理がある。しっかり歩くぞ、という休…

スケルトン階段。いつかまた抱っこして。

実際に引っ越してくる前から、犬に早く慣れさせようとして、何度か引っ越し先の家に連れてきたことがある。犬は少し戸惑っているようにも見えたが、家の中ではわりと堂々としていた。環境を変えるにあたって、人間のほうが過度に心配をしていたのかもしれな…

衣張富士見コース。

なかなかペースがつかめない。もしかしたら、犬のほうが先にしっかりとペースをつかんでいるのかもしれない。犬は新しい環境を楽しんでいる風にも見える。とにかく知らない匂いがいっぱいだ。においコレクターであるユクは、とても収集に忙しそう。 年度末だ…

繰り返すが、平日である。

平日だ。私は自宅で仕事をしている。リモートワークではない。自宅がオフィスなので、オフィス勤務である。 オフィスの前にて。(嘘おっしゃい、立ち入り禁止です) 仕事の相手とはオンラインや電話で接することが多い。リアルな接触ではないので、パンデミ…

あの子の匂いが残る家。

引っ越した先に、実は知り合いがいる。前の家でお隣さんだった家族である。 ユクは、そちらで一緒に暮らしていた黒柴君が大好きだった。黒柴君の飼い主さんにもよく懐いていた。ユクは好きな犬がいると、その家族も含めて大好きになる。犬は皆そうなのか、ユ…

夜戻り。

市内ではあるが、引っ越しをした。距離が近いとなかなか梱包も進まない。積み残しても、最悪何往復かすれば良いか、という甘えがあるからである。実際にはそう甘くもない。たとえ近くても往復するのは大変だ。 今日でこの散歩コースも最後か。(とは思ってい…

舵は海へ。

定期的に海の方向へ舵を取ろうとする。犬の話だ。 ほとんどの場合は、好きな犬の家の方向へ鼻先を向ける。家の周辺をうろうろし、たまに好きな犬に会うことができる。その偶然の確率を上げるために、なるべく好きな子の家の周りをうろうろするのだ。これが人…

落ち着きのない者たち。

大阪マラソンの中継をたまたま見た。最近のマラソンにはペースメーカーという人がいるそうだ。残り十キロくらいになったらペースメーカーは外れて、よーいドン、ということになる。じゃあ四十二キロ某も要らないではないか、とも感じる。 どのようなスポーツ…

花粉の季節、腸の話。

二月なのに春一番が吹こうかという陽気だ。二十度を超えるとは、なかなかに季節の移ろう感覚を狂わせてくれる。 いまは旧正月である。正月といえば「新春」と呼ばれる。年明け、凍えるように寒いのになぜ新春なのか、と思っていたが、これは旧い暦によるもの…

四半世紀と、犬の向き。

iモードのサービスが終了するそうだ。携帯電話でインターネットができる? メールが打てる? と息巻いた私は、iモードの初号機を手に入れた。一九九九年のことだ。 はいドーモ! 何でも早く使いたい。新しい技術を試したい。私はそういう質である。しかし、…

寝癖と犬の癖っ毛。

髪を洗ったあと、生乾きのまま床に就いた。翌朝、大変な寝癖がついていることがある。人間の話である。 起床時ファーストビュー。 寝癖は髪の毛の長さが長かろうが短かろうが、ついてしまうものだ。もちろん長いほうが癖はつきやすいだろうが、短い髪でも、…

彼女の家に招かれて。大惨事の記録。

彼女の家に招待された。犬の話である。 モモちゃんに出会ってクールにきめるユク坊。 ユクには大好きな犬がいる。柴犬のモモちゃんである。モモちゃんの人間のお父さんとお母さんも好きだ。つまり、モモちゃん家族全員が大好きなのである。モモちゃん家族を…

白い壁を見つめる犬。

私は網膜剥離というものになったことがある。目の前に、黒い紙片のようなものが現れた。最初は、ゴミでも入ったのだろうかと思った。あるいは、コンタクトレンズに傷が入ったのだろうかとも考えた。コンタクトレンズを外してみても、その黒い紙切れは消えな…

白くなった朝と、震える足。

雪が降った。雪深い北国の方たちには申し訳ないが、雪が降ると、そして少し積もると、相当にうれしい。このところ関東地方は水不足でもあるし、少し雨でも降ったほうが良いな、という気持ちでいた。雨ではなく雪であったが、冬には雪がちらつくくらいが心地…

油断して風邪。勘違いして寄り添い。

喉が痛い。人間の話だ。 犬の寝姿は最高です。 十五週間に及ぶ大学での講義のための出張期間が終わり、レポートの採点も終え、新春茶会も終わった。今シーズンは風邪をひかずに乗り越えたぜ、と思っていたのだが、ここへ来て喉が痛くなった。気を抜くと風邪…

一割の疑い。信じすぎないで生き延びる。

ユクは、人間からおやつをもらうことに長けている。飼い主である私たちはもちろん、散歩に出かけているときも、他の犬の飼い主さんから上手にいただいている。 長けている!(??) ユクは、全面的に人間を信用しているわけではない。残念だが、それは飼い…

言葉の外側で通じるもの。

意思疎通と言うまではいかないかもしれないが、お互いに言っていることが通じたな、と感じる瞬間は確かにある。犬と人間の話である。理屈を説明しても、犬はまったく理解を示さない。それでも、つい「こうなんだよ」と語りかけてしまうことがある。通じ合う…

地下鉄にベンツ、電柱に看板。

最初の一年は、マーキングなどしなかった。犬の話である。 おうちでは一切しません。 なぜ二年目からするようになったのか。自我の目覚めなのか、オスだからだろうか。メスでも匂い嗅ぎが大好きな犬はいる。縄張り意識ばかりではなく、匂いを嗅いで回ること…

犬と濃茶の距離感。

「新春茶会」という大寄せの茶会があった。濃茶席の担当としてお手伝いをしてきた。大寄せの茶会は薄茶席のみ、ということが多いので、大勢の前で濃茶の点前をする機会はなかなかない。年に一度の良い機会である。 コロナ禍で、大寄せの茶会に参加する人数も…

秒で働く部下と、反射で生きる相棒。

日々、解決しなければいけないことはある。机に座ると、あぁそうだ、と昨日やり残した仕事のことを思い出す。あれもこれも、まだ解決していなかった。そんな感じで一日の仕事が始まる。 寒いからまだ出たくない。 私は二十数年間、ひとりで仕事をしている。…

父から受け継いだ呪文。

空気が乾燥している。私の肌もからっからだ。 ニベアメン クリーム 75g 男性用 クリーム ニベアメン Amazon ハンドクリームなど使ってこなかったのだが、五十歳を過ぎたあたりから必要を感じて使い始めた。ちょっと気取ったハーブ配合のようなものを使ってい…