ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

自動車で伊豆旅行へ、ユクとゆく。

伊豆へ旅行に出掛けた。ユクを含めた家族全員の話だ。妻とユクを後部座席に乗せ、私は運転席に座った。自動車を買ってから四年ほどになるが、それほど遠出をしたことがない。せいぜい横浜の動物病院へ行ったくらい。あとは隣町のホームセンターへ行くなどの、まさに近場だ。そして頻度も高くない。滅多なことでは自動車に乗らない生活をしてきた。自動車を買ってからも、だ。

今回の旅行は、久々の長距離ドライブとなる。長距離と言っても日常的にこのくらいを走っておられる方にとっては何でもない距離だと思う。

由比ヶ浜を左に見ながら、稲村ヶ崎へ小高いトンネルを抜けて行く。抜けて見下ろせば、大きな富士山が眼前に現れた。大きな、というのは誇張でも何でもなく、何故かトンネル後の富士山はとてつもなく大きく見える。沈む太陽や昇る月が大きく見える現象と同じ理由だと思われる。

いつもは新幹線の車窓から。

今度は七里ヶ浜を左に見ながら、海岸線を走って行く。この辺りまでなら、運転してきたことがある。小田原方面、西湘バイパスはまだ走ったことがなかった。
西湘バイパスに差し掛かると、ああ、ここが西湘バイパスか、小田原に住んでいた頃は、毎日眺めていたなぁ、と「思いたかった」が、それどころではなかった。

割とスピードが出ているので、運転に集中せざるを得なかった。想像力が豊かなので、よそ見して、横転してクルマが大破する画が頭に浮かぶ。集中集中。

富士山、ねぇ。

有料道路を走るのも何十年ぶりだろうか。ETCとやらは正常に動くのか。想像力が豊かなので、ETCが正常動作せず、ゲートを強行突破する画が頭に浮かぶ。
パカッ。ETCが正常に作動した。
昔運転したときにはETCのシステムなどなかったので、ようやくETCデビューも果たした。長生きしてよかった。

しかし、サービスエリアのようなところに行き当たらない。休むところがないではないか。有料道路を抜けたあとは箱根の山道を走行した。山の神、と呟きながらハンドルを切った。妻からもユクからも、特に反応はなかった。

どちらが立派ですか?

箱根の山を越え、三島に行き着いた。静岡県にやって来たのだ。伊豆はもうそこだ。
と、そのとき、道の駅を示す標識が見えた。同時にナビが、「運転を始めて二時間が経ちました。そろそろ休憩しませんか?」と言ってきた。このまま行くのも良いが、やはりここは休憩だ。

初めての道の駅でも堂々たる姿。

妻にホットドッグを買ってもらった。運転の褒美のようなものだ。ユクにパンの部分を少し千切ってお裾分けした。

伊豆はもうすぐ。