ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

大晦日のえへへ。

おせちもいいけどカレーもね。
こんなセリフのカレールーのCMが昭和の頃にあった。正月といえばおせち料理。三賀日はお店がどこも閉まっていて、折角もらったお年玉も使えず、家でおせち料理を食べてテレビを観る他なかった。残念そうに書いているが、私はこの正月の雰囲気が好きだった。別の休日とは違う特別な感じがある。大晦日の慌ただしさから一日が過ぎただけなのに、大きく世の中が変化したかのような朝。一分が過ぎただけなのに、家族や親戚も少し改まって、おめでとうございます、を言い合う感じなど。

あ、こんにちは。

お雑煮も良い。
お餅を何個入れるか尋ねられて、二個と答える。三個と欲張ったこともあったが、三個も入れると餅に味噌をかけたような料理になってしまうので、やめた。一個は心許ない。やはり二個が最適解だと思う。

結婚してからは、妻が毎年雑煮を作ってくれる。とてもありがたい。雑煮には地方によってさまざまあるようだ。四国のほうではあん餅を入れるところもあるそうだ。関東ではおすましか。妻が作る雑煮は母のものになぜか似ている。妻は私の母に会ったことがないので継承されていない。だから、なぜか、なのだ。しかも妻は関東出身だ。

宮古島出身犬!

おせちもいいけどカレーもね、というのはおせち料理ばかり食べていて、続き過ぎると飽きるからカレーでもどうですか、というところ見事に刺さったと思う。今では、カレーやラーメンもいいけど、おせちもね、くらいだろう。

ユクが来てからは実家で年越しということをしなくなった。ユクを連れて行けばできるが、現実的ではない。毎年、年越しのタイミングで円覚寺へユクを連れて行く。今年もそれが楽しみだ。

晦日にはダウン(フェイク)を着て。

晦日が近づいてくると、犬の散歩でお会いする人たちとの挨拶に困る。良いお年をお迎えください、などと三十日に言い合って、大晦日に会ったりするからだ。犬の散歩は毎日のことなので、会う確率が高い。でも会わないかもしれないので保険で挨拶しておく。

たいてい保険などかけた相手に限って大晦日にまた会う。そのときのえへへな感じもまた良いのだ。

それは、えへへというより、えっへんでは?