ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

仔犬でい(させ?)たい症候群。

春がきた。少し飛び越して夏を感じるほどの日もすでにある。日が延びて、夕刻のお散歩にゆとりができた。成長を見越して購入されたと思しきブカブカの学生服を着た中学生たちが線路の横で電車とかけっこをしている。
お!かけっこ遊びやるのか?という感じで、中学生の興奮がすぐに伝染するユク。クルクル回って、走る準備をし始める。それをなだめて、また線路の脇を歩いて行く。
桜はとっくに散ったし、もう初夏なのかもしれない。

階段ダッシュ!の先は閉門!

ここのところ、ユクに落ち着きを感じているが、それでも臆病な性格からか、見知らぬ犬と出会ったときには、飛び跳ねたり唸ったりすることもまだまだある。そこを乗り越えれば、何とかご挨拶までたどり着ける。相手方の犬と飼い主さんに少しばかり忍耐のご協力をしていただいている。思い返せば、その忍耐の繰り返しで、ユクにも何とかここまでの社会性が育まれたのだから、犬社会というか犬を連れている人たちの社会全体に感謝申し上げたい。

花いかだも大渋滞。

ユクが華奢なせいか、まだ子供だね、とか、若いんだね、と声をかけてくださることも多い。犬が飛び跳ねているときには、こちらも、はい、まだ二歳半でして、などと申しながら頭を掻く。元気で良いねぇ、うちもそんなでしたよ、と言っていただけると、落ち着きのない犬を前にして、いくらかホッとする。

落ち着いたなぁ。それは寝ているだけですね。

過日。見知らぬ、少し大きめの犬と出会うことがあった。大きい犬には、まず飛び跳ねてアプローチをするユク。お相手の犬が優しく待ってくれるので、二頭の距離は徐々に縮まっっていく。何とかご挨拶できた。

飼い主さんがユクを見て、「仔犬ですか?」とおっしゃった。私は、「はい、まだまだ仔犬です、二歳半になりました」と申し上げた。

「成犬ですね」
と即座にご返答いただいた。はい、たしかに。

段々と「仔犬なもので……」という言い訳も通用しなくなってきた私たちであった。

バレたか〜!