ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

もしかして、お二階に居ました?

ユクがお留守番している。
私は乗る予定だった新幹線を一時間早めて、新大阪駅を出発した。日が落ちるのが早くなったこの季節は、なるべく早くに散歩をスタートしてやりたい。いつもより一時間早く北鎌倉駅に着いた。それでもそろそろお寺さんが閉まる時刻だ。家の玄関前で、仕事の電話を受けた。ユクから見えそうな場所でしばらく電話をしていたが、ユクは顔を出さない。寝てるのかな。

こんな感じで寝てるのかな。

電話を終えて、解錠し玄関から入る。わーい帰ってきたのー?と飛び跳ねて出迎えるような犬はうちにはいない。それは期待していない。が、気配すらしない。あれ?ユク坊!どこにいるんだい?私は頭を下げて、辺りを見回した。窓際のベッドにも、クレートにもケージにも、ユクの姿が見当たらない。

どこにいるのだ?

とことことこ。ユクの足音だ。
二階から階段をかけ降りてきた。
え?独りで二階へ行ってたの?

ユクは、やんちゃな犬ではあるが、家の中で入ってはいけない、と言ったらそのエリアには入らない。そういうルールはよく守る犬だ。例えば台所には絶対に入らない。これはうちへ来た当初から厳しく言い聞かせているから、よく守っている。
留守番時の見守りカメラの映像を見ても、台所に行くことはなさそうだし、置いてあるものへのいたずらもない。おやつの置き場所は知っているはずだが、それを留守中に盗み食いすることもない。

実は鼻で開けられます。

二階へ勝手に行くこともない。

と、思っていた。

そのユクが二階からとことこと降りてきた。
「え?ユク坊お二階にいたの?」
と話しかける。ユクは少し照れくさそうに、いや、きまりが悪そうに飛び跳ねている。飼い主の帰宅を喜んでいるというのとは少し違う。

二階でこんなことしてた?(イメージです)

二階に行き、私の部屋にある、ユク用のベッドに手を当ててみる。温かい。やはりここに居たようだ。私が居なくてもここで寝ることがあるのか。留守中に二階に行くことがあるのか。自由にしてもらって良いのだが、物の置き場所など、出掛けるときに注意しなくてはならないね、と、妻と話し合った。

私の部屋で勝手にくつろぐユク坊。(イメージです)