ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

ドッグランデビューをした犬と人

思いっきり走り回れるようにしてやりたい。と、犬を飼っている人は大体そのように考えているのではなかろうか。私も、ユクをリードから自由にして、出来れば他の犬たちとも触れ合うところなどを観察したいと思う。そのような飼い主の思いを実現できるところがドッグランではなかろうか。柵で仕切られた場所で、リードを外して自由に遊ばせることが出来る。近所には残念ながらドッグランはない。しかし、うちには自動車があるではないか。

いつものように、どこに行けるのだろうとワクワクしている犬を乗せて、葉山まで走った。自動車は便利だ。遠くへ行っても、自動車の中は私的な空間が保たれる。犬を連れて歩いたり、電車に乗ったり、ということに比べて圧倒的に家にいるときの感覚に近い。今更ながら自動車のすばらしさに気付いた。

 

そういえば海外旅行に行った折、レンタカーで走るようなこともあったが、そのときも同様のことを感じた。道を歩いていても、電車に乗っていても、自分が外国人である、という圧力を感じながら、沢山の荷物を持って移動しなくてはならない。それが、自動車さえあれば、移動中は日本語でへらへらとおしゃべりしてリラックスできたし、荷物もトランクに放り込める。自動車は偉大だ。

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アメリカ南西部をレンタカーで走った

こちらのドッグランでは、コーヒーや食事などのオーダーをして入場する。そうすればあとは好きなだけいてください、というルールだった。コーヒーは1杯だけのものと3杯飲めば元を取れそうな色々なコーヒー豆を飲み放題メニューとがあった。しばらくいるだろうと考えてお得な飲み放題を選択した。

 

他の犬が沢山いるところは、ユクにとってはストレスなようだ。近所の知っている犬が広場に集結しているときは楽しそうだが、見知らぬ犬だとそうもいかない。それもそうだろう。近づくたびに警戒して、相手のことを見定めて、ということをしなければならないのは大変だ。人間だって、友達と居酒屋で集まるのと、立食パーティで見知らぬ人たちと集まるのとでは、大きな違いがある。まぁ、しかし何事も経験だ、ユク坊。

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ここじゃない感あふれるユク坊

区切られた柵の中で、恐る恐るリードを外した。颯爽と駆け回るユクを想像したが、そうでもない。少しだけ他の犬とコミュニケーションを図ろうとしていたが、隅の方へ行って、柵の外を眺めている。そして、てくてく入り口の辺りに行き、出たそうにしている。そうか、そういう気分なんだな。外へ出してやり、コーヒーを飲みながらユクを観察していた。むしゃくしゃしたときに見せる、枝を噛む行動が始まった。敷地内を散歩しようとしても車の停めてあるほうへ向かおうとした。

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むしゃくしゃしてきたユク坊

うん。コーヒーの元は取れていないが、帰ろうか、ユク坊。

後部座席のドアを開けてやると嬉しそうに飛び乗った。帰りは後部座席で妻の膝枕で寝るユク。疲れたんだね。近所のお友達犬たちとドッグランで遊べたら、どんなに良いことか。

 

それはそうと、大盛りや飲み放題メニューを選択することから卒業したい、と、実は何年も思っている。