ユクとゆく

宮古島で保護された犬、ユクとの暮らし。

免許証センターで見せられるビデオ。

私は優良ドライバーだ。
なんのことはない、日常的に運転をしていないだけだ。運転をめったにしない人間にゴールド免許を持たせて、優良ドライバー呼ばわりするのは、現実に即しておらずおかしな感じがする。優良ドライバーというよりは優良免許証保持者である者が優遇されるのは、免許証更新のときくらいではなかろうか。講習受講が三十分で済む。一つの部屋に集められた優良免許証保持者たちの群れを見て、普段運転なんてしてないんでしょ、皆さん、と奇妙な仲間意識すら芽生えた。

これもくるま?

ゴールドカード、いやゴールド免許証の有効期間は五年だ。五年は長い。五年前の更新のことなど微塵も覚えていない。五年前はコロナのパンデミック以前だ。犬もまだ飼っていなかった。車も持っていなかった。柔術はやっていたけど、おそらく青帯か紫帯だった。ということは、鎌倉に越してくる前、小田原に住んでいたときか。

五年は長い。
次回の更新のとき、どこで何をしているだろうか。

犬が家にやって来て、自動車に乗るようになり、運転免許証も身分証明以外に役立つようになった。が、まだ車の運転を好きにはなれない。歩行者として道路にいても、大してその危険度は変わらないかも知れないが、運転していると、事故への恐怖感が湧いてくる。このストレスを感じることが疲れるのだ。そんなものは慣れである、ということくらい分かる。慣れたい。慣れるには運転するしかない。分かってはいるけど、歩いてしまう。私は優良ドライバーだ。

ここは車では無理だな。

免許証更新のとき、更新センターで、必ずビデオを見せられる。免許証を取得したときにも見せられた記憶がある。事故は悲惨だ、歩行者は急に飛び出してくる。そのようなことを洗脳するかのように密室で見せられる。

毎回ビデオの内容は違うが、テーマは同じだ。今日見てきたビデオも、こういうときに事故は起きます、という内容であった。

バスの陰から原動機付自転車が猛スピードで飛び出してきたり、急に横断歩道に子供が走り込んできたり。これはプラチナドライバーでも回避できないのではないかというくらいに、相手にも相当の落ち度があるように思えた。

あれは避けられへんな。(なぜそこで関西弁?)

このような無茶に対応しなければならないのだから、やはり運転は怖い。
このくらいに恐怖感を与えるために作られた映像だろうから、制作者の意図どおりに違いない。

警察の方へ。お馬鹿な犬が車の陰から飛び出してくるかも知れない、というビデオも今後は作ってください。お馬鹿な犬役ならいつでもキャストとしてご協力できる犬が我が家にはおりますゆえ。

逆向いてませんか?